銀座のギャラリー椿で、小林裕児展『田園の秘密』を観る。
近くの里山のようでもあり、遠くの幻想的な世界のようでもあり。しかし、ちらりと一瞥して「かわいい」「奇妙」なんて感想を抱くと損をする。この世界の住人になったつもりで、長い時間をかけてじっと眺めていると、世界も登場人物も自分と一体化してくる。大きな作品「凱風遠音」を椅子に座ってずっと見ていたらそんな気持ちになってきた。
それにしても独特だ。手から放つ何かや舟だけでなく、なぜみんなの形や動きが弧を描いているのだろう。見つめる先が定まらぬ目は、大きなものに生かされていることも意思の強さも示しているようだ。
小林さんと少しお話をした。間に合ってよかった。
●小林裕児
『小林裕児と森』ライヴペインティング@日本橋三越(2017年)
小林裕児個展『ドローイングとスケッチブック』@檜画廊(2017年)
齋藤徹『TRAVESSIA』(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)