宮里綾羽『本日の栄町市場と、旅する小書店』(ボーダーインク、2017年)を読む。
栄町市場の雑踏や雰囲気がとても好きで、那覇に行くたびに中をうろうろするのだが、いつも迷う。実はそれが愉しくもあるし、本書によれば、新しいお店がなお出来ているらしい。「potohoto」や「生活の柄」など知っているお店も登場したり、名前は存じ上げないが、あああそこに、という人のことも書かれている。
著者の宮里綾羽さんは、栄町市場にある「宮里小書店」の副店長である。お父さん(店長)は、里国隆の歌声や、最近発表した『琉球弧の祭祀―久高島イザイホー』を録音したりもした宮里千里さん。書店の本はハトロン紙のカバーがかけられていて、選ぶのが気持ちいい。
最初に訪ねたときは店長が「熱が出た」とかでお休みで、隣のお店の金城さん(この本ではじめて名前を知った)が留守番をしていた。そのときは、澤地久枝『もうひとつの満洲』を選んだ。
次に去年の秋に訪ねたときには、副店長の宮里綾羽さんがいて、なぜか隣の金城さんがコーヒーを出してくださった。そのときわたしは故あって眼帯をしていたのだが、これこれこういうわけで眼帯を、と説明すると、綾羽さんは、絶対治りますよという言葉をくれて、ついでにバス停に案内までしてくれた。言葉というものはとても大事なものだから、わたしはこのことを決して忘れない。
そういえばそのとき買った文庫本2冊をまだ読んでいない。
●栄町市場
城間ヨシさん、インターリュード、栄町市場(2007年)
Leitz Elmarit 90mm/f2.8 で撮る栄町市場と大城美佐子(2007年)
栄町市場ライヴ(2007年)
栄町市場(2007年)