Sightsong

自縄自縛日記

半神半人の英雄譚 『タイタンの戦い』、『アリオン』

2010-09-26 21:32:23 | ヨーロッパ

飛行機の中で、ルイ・レテリエ『タイタンの戦い』(2010年)を観た。1981年の同名映画のリメイクであり、前作はレイ・ハリーハウゼンによる特撮がとても印象的な作品だったので、新作も少し気になっていた。しかし、飛行機の小さな画面で観た所為もあるかもしれないが、特撮は何と言うこともない出来で、ドラマも役者もつまらない。やはり中途半端なCGなんてアナログの粋に勝てっこないのだ。

主役はゼウスと人間との間に生れたペルセウスであり、ゼウスの兄、冥界の王、ハーデースが遣わす海獣クラーケンと戦う。ペルセウスの武器となるのが、見る者を石に変えるメドゥーサの首で、そのためにペルセウスはメドゥーサを討つ。ハリーハウゼンの手腕は素晴らしかった、記憶では・・・。

ギリシア神話、半神半人の英雄という点で、安彦良和『アリオン』(1986年)を思い出し、録画してあったのを探し出して観る。

『アリオン』の主人公は、当初は、ゼウスの兄・ハーデースの弟、海の王ポセイドーンの息子として説明される。アリオンはゼウスを狙い、ハーデースを殺し、熱にうなされてポセイドーンをも殺す(子どもと一緒に観るには微妙なプロットが多い)。しかしアリオンの父はポセイドーンではなく、人類に技術を伝え、人類と交わったプロメーテウスであった。つまりアリオンも半神半人の英雄。

『機動戦士ガンダム』後、ロボットアニメが多様化・爛熟の時代を迎えたが、安彦良和は『クラッシャージョウ』(1983年)、さらに『アリオン』と、独自路線を見せていた。このあたりは出来もよく、いま観ても面白い。ツマは、ガンダム似のものものしいセリフを聴いてげらげら笑っていたが。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。