Sightsong

自縄自縛日記

ジョン・チカイ『In Monk's Mood』

2015-01-06 06:57:18 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジョン・チカイ『In Monk's Mood』(Steeple Chase、2008年)を聴く。

John Tchicai (as)
George Colligan (p, org)
Steve Laspina (b)
Billy Drummond (ds)

セロニアス・モンク集であり、意表を突いてくるのかと思いきや、別にけれん味やサプライズはない。なんだか最初は物足りない思いで一杯だった。それというのも、「フリージャズの闘士」的な予断を持って臨むからでもあった。

そのようなくだらぬ決めつけを排して耳を傾けると、悪くないどころか味わいがある。チカイの音色は強弱を微妙に揺れ動いて、しかもフレーズに迷いがあるようで、押し出しは決して強くない。しかし、トーンの揺れ動きは艶やかさでもあり、微妙なゾーンこそ聴きどころではないのかなと思えてきた。

ジョージ・コリガンのハモンドオルガンもその微妙なゾーニング設定を手助けしている。また、ビリー・ドラモンドの呻吟しながら繰り出すパルスも、その呻吟ぶりを思い出すと愉快。


ビリー・ドラモンド(2014年6月、NY SMOKE) 

●参照
ロヴァ・サクソフォン・カルテットとジョン・コルトレーンの『Ascension』(チカイ参加)
『Jazz in Denmark』 1960年代のバド・パウエル、NYC5、ダラー・ブランド(チカイ参加)
藤岡靖洋『コルトレーン』、ジョン・コルトレーン『Ascension』(チカイ参加)
セシル・テイラーのブラックセイントとソウルノートの5枚組ボックスセット(チカイ参加)
ESPの映像、『INSIDE OUT IN THE OPEN』(チカイ参加)
ジェレミー・ペルト@SMOKE(ドラモンド参加)


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