Sightsong

自縄自縛日記

小泉定弘写真展『小さな旅』

2016-05-16 00:01:33 | 写真

町屋文化センターで、小泉定弘写真展『小さな旅』を観る。

ちょうど1年前の写真展『漁師町浦安の生活と風景』のときと同様に、会場の入り口に、ご本人が原稿用紙に万年筆で書いた挨拶文が掲示してあって、これがまたユーモラスで味がある。今回の写真は、1-2泊の小旅行で撮られたスナップばかりだということだ。

写真は、まったくこれ見よがしでないものばかりである。霧がかかった山、水場を遊ぶ子ども、海岸、水面に写る富士山、淡路島の畑であそぶ人たち、どれもなんともしみじみ良い。

小泉さんがおられたので、少しお話をした。ライカM6にズミクロン50mmF2.0、たまに35mmだがだいたいは標準レンズを使うということ、ズミルックスや他の焦点距離のレンズも持ってはいるがやはりズミクロンということ、バライタ紙を使っていて今ではプリンターに焼いてもらっているということ、動きのある被写体が好きだということ、ツァイト・フォト・サロンのこと。

せっかくなので、持参した写真集『都電荒川線 The Arakawa Line』と、『隅田川 The Sumida』にサインをいただいた(その万年筆で!)。前者は荒川線沿線のスナップ、後者は橋の途中から隅田川をひたすら撮った過激な作品である。表紙を開いたところで、しばらく、うーん写真のフレームと一緒でどこに書くかで性格が出るんだよなと5分くらい悩んで、片方には日付を英数字で、片方には漢数字で、書いてくださった。このペースがまさに小泉写真。嬉しくなってしまった。

ところで、この2冊は同じ判型とつくりであり、もう1冊『明治通り』という写真集とで3部作なのだという。

「ああ、それはもう1冊持っておいた方がいいよ」
「はい、どうしてでしょうか」
「荒川線がだいたい10キロ、隅田川がだいたい20キロ、で、明治通りがだいたい30キロ。10キロずつ伸ばしていった」
「!!」

●参照
小泉定弘写真展『漁師町浦安の生活と風景』
小泉定弘『都電荒川線 The Arakawa Line』


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