Sightsong

自縄自縛日記

陳穎達カルテットの録音@台北

2019-04-23 00:41:16 | アヴァンギャルド・ジャズ

台北でサックスの謝明諺さんに牛肉麺をごちそうになって、そのまま、かれが参加している陳穎達カルテットの録音を観に行った。場所は士林のスタジオである(2019/4/18)。

Ying-Da Chen 陳穎達 (g)
MinYen "Terry" Hsieh 謝明諺 (ts, ss)
Kinya Ikeda 池田欣彌  (b)
Wei-Chung Lin 林偉中 (ds)

リーダーはギターの陳穎達さん。録音はこの日で3日目とのことであり、前回満足しなかった曲の演奏となった。「離峰時刻」という陳さんのオリジナル曲で、音がみちみちに詰まった良い演奏だった。いちど演って前回の録音を聴くと、隙間があるように感じられる。それはベースの池田欣彌さんによれば夜も遅くてみんな疲れていたからだ、とのこと。しかしなおも執拗に演奏を行う。

至近距離で聴く謝明諺(テリーさん)のサックスはさすがである。テイクによって異なるフレーズをもりもりと吹く。アイデアと技術とが手を取り合っているからに他ならない。途中でうまくいかなかった場面も含めてとても面白い。

陳さんのギターはソフトでもあり芯が通ってもおり、初対面ながら、やわらかな人柄をあらわしているような音に聴こえた。林偉中のドラムスもまた、いろいろと工夫したビートに柔軟に対応しつつも力強いパルスを放つ。もう長いこと台北に住んでいるという池田さんは、この日はエレキベースを弾いた。鋭くおさえながらサウンドを前に進めるのは池田さんのベースでもあるのだった。

録音は終始和やかで、それでも満足行くまで聴きかえしてはまた戻る。愉快だったのは、宇宙遊泳的な陳さんのオリジナル「Universe Navigation Log Book」を聴いていて、テリーさんがここはオーヴァーダブだと言ってスタジオに戻り、いろいろと愉快な音を重ねる。昔のテレビゲームのようだ。テリーさん以外はみんな聴きながら笑っているが、さてどんな面白いサウンドが出来上がるだろう。

このカルテットは、『R.E.M Moods』(2015年)、『Animal Triste』(2017年)と2年おきにアルバムを出している。この第3作がどのようなものに仕上がってくるか楽しみだ。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4mm、XF60mmF2.4

●謝明諺
東京中央線 feat. 謝明諺@新宿ピットイン(2018年)
謝明諺+大上流一+岡川怜央@Ftarri
(2018年)
謝明諺『上善若水 As Good As Water』(JazzTokyo)(2017年)


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