森まゆみ(文章)、太田順一(写真)による『大阪不案内』(ちくま文庫、2009年)を読む。
もとは雑誌の連載なのだろうか、大阪のあちこちが紹介されている。蘊蓄を傾けていたりもするが、大概は、地元の人たちとの会話だとか、海老フライを食べただとか。もとより、タイトルにも「不案内」とあり、「不案内」な著者が大阪を歩いての印象は、結果として「案内」にはなっていない。それでも、たまに仕事でのみ、それもほとんどは日帰りで行くわたしのような人間には面白い。
これを読んで。
○ 東京の「京橋」と大阪の「京橋」とは、アクセントの位置が違うんだな。
○ 坂が多い空堀商店街(万城目学『プリンセス・トヨトミ』に登場)で、お好み焼きを食べたい。
○ 古くからの洋食屋を目指すべし。
○ たれを刷毛で塗る伝統的な大阪の寿司屋を目指すべし。(わたしは布施の「すし富」に2回ほど行っただけだが、安くて感動的に旨かった。)
旧・猪飼野の写真集を出している太田順一の写真も優しくてとても良い。そういえば、2台のライカM6にズミルックス35mmF1.4を付けたものの、レンズの性能がひどかったという記事を読んだことがあるが、これもズミルックスによるものだろうか。
●参照
北井一夫『新世界物語』