四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「あの子の分も」

2011年03月28日 21時22分00秒 | コンサート
東日本大震災で命を落とされた方の数が日々増え、
一万人の大台を既に越え3月28日現在10,872名となりました。
改めて心からご冥福をお祈り致します。

昨日に変わらぬ今日がある日常が一瞬の地震と、
それに続く大津波で断ち切られた多くの方々の存在。
そして、19,036名の安否不明者と、依然として厳しい避難生活を
強いられている25万人を超える方々の存在。
さらに、放射能汚染が続く福島第一原発によって避難を余儀なく
されているその周辺の多くの方々存在。

その心情を思うとき、その外で発する私達のいかなる言葉も
軽く感じてしまう自らの思いを戒めています。
多少なりともお手伝いになればと仲間たちと共に現地に向かったものの、
その惨状に打ちのめされて、大した貢献も出来ず帰ってきたのが現実です。
私たちが、被災者とともにあることは「人が人としてあること」の
厳しさと、自らが真摯に向かい合うこととも思っています。

義援金、支援物資、ボランティア等々はもとより自らが出来る事柄を
淡々と果たしていこうとも思っています。

お手伝いの合間に、現地の皆さんのお話を聞くことが出来ました。
言葉少なに、自らの現状に折り合いをつけつつ、絞り出すように語って
くれた言葉は、私たちの想像を超えていました。
大津波で被災された、ある一人の女性。その方の立場に立って
その思いを「あの子の分も」との題で、私なりに詞に紡いでみました。
被災された方の心情はこんな言葉では言い尽くせないことは重々
承知しながらも、うたわずにおれない思いから紡いだものです。
推敲も足りませんが、皆さんで添削を兼ねたご意見を頂ければ
嬉しいです。

なお、拙い詞ですが著作権は放棄していませんので転載、
改ざんの際は、その旨必ずご連絡頂ければと思います。

「あの子の分も」

お母さんどこ
サッチャンはどこ~
そんな声がこだまとなって
今でもはっきり響いてくる
私の目の前で波にさらわれていった
あの子が今でも目に浮かぶ
あんなに好きだった海なのに
今は見るのも辛い
私から全てを奪って行った津波
この地で生まれ育ったのに
ここで生きていくのは辛すぎる
でも、きのう赤ちゃんの泣き声を聞いた
こんな惨状の中でも新しい命は生まれ
育っていくんだね
負けてなんかいられない
一万を超える多くの人の犠牲の上に
助かったこの命

あなたはどこ
ヨーコはどこだ~
そんな声がこだまとなって
今でもはっきり響いてくる
私の目の前で波にさらわれていった
あの人が今でも目に浮かぶ
あんなに好きだった海なのに
今は見るのも辛い
私から全てを奪って行った津波
この地で生まれ育ったのに
ここで生きていくのは辛すぎる
でも、きのう3日ぶりに助かった
おばあちゃんの元気な声を聞いた
こんな惨状の中でもくじけない
強い思いがあるんだね
負けてなんかいられない
この地で踏ん張り生きていかなくちゃ
亡くなった人に申し訳ないもの

がれきの山から
やっと探したこの写真
あの子の、あの人の笑顔がいっぱい
写っている
好きだった家も、庭も、町並みも
光の中で輝いている
ありふれた日々が愛しいまでに
浮かんでくる
一瞬の津波が全てを奪っていった
でも、私の愛したあの人と
あの子の笑顔と思い出を
私はかかえていくわ
負けてなんかいられない
新しいいのちを見守る一人として
折れずに強く歩んで行こう
あの子の分も あの人の分も
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 心からご冥福をお祈り致しま... | トップ | それでも桜咲く »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コンサート」カテゴリの最新記事