「口語短歌・水曜サロンの会」(その69) 短歌の投稿を歓迎します!!
☆☆☆ 今年も楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。
【サロンの運営について】
運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。
「冬薔薇 フレグラントアプリコット」
「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」
【詞書】今回は筆者ブログ「世界文化紀行」の「世界のパワースポット」の写真を
見ながら口語短歌を詠んでみました。
☆天と地の境なく映す湖は 何を語るか神秘な世界
註)ウユニ塩湖・ボリビア「天空の鏡」
☆泉には奇跡が起こり湧き出る 聖母マリアは生きとし生きる
註)フランス「ルルドの泉」
☆憧れの夕陽絶景は寺院こそ 涙が滲み心震える
註)バリ島「タナ・ロット寺院」
浅間山明鏡止水さん
【解説】
「世界のパワースポット」を口語短歌と画像で紹介する試みは「観光大使」並みの
取り組みですね。いずれ、地元の観光協会から「感謝状」等のお礼が届くかも
知れませんね。
三首目のバリ島は、私事になりますが、かつて銀婚旅行を兼ねて訪れた地で、
懐かしく思い出しました。「タナ・ロット寺院」も忘れがたい地ですが、
私はウブドの「芸術村」が鮮明な記憶となって蘇ります。ガムランの演奏で
舞うバリ舞踊や、ライステラス(棚田)が懐かしいです。タナ・ロット寺院を
別の視点から詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
★故郷へ想い連れゆくタナ・ロット 寺院染めるバリの夕映え
【詞書】一輪の白い侘助の凜とした美しさ、思わず自分を振り返る。気持ちの
荒れたのが恥ずかしい・・・
☆竹藪に白き侘助ひとつ咲く心貧しき朝に見つけり
【詞書】ぽつんと落ちる椿の花 昨日はあんなに美しく咲いてしばらく見られる、
いやもっと前から咲いていたかもしれないが。いつかは落ちる命の
はかなさと落ちてもなおその美をもつ花の矜持に見とれた。
☆朝露をふくむ苔の上(へ)落ち椿 なお華やかな美の終章も
【詞書】最近金の目を持つ真っ黒な猫も神秘的でいいなぁ~と思うように
なりました。またさざんかしぐれという美しい言葉を使いたくての1首です。
☆金の目の尻尾の切れた恋猫もさざんか時雨に姿隠しぬ
夕庵さん
【解説】
いずれの歌も、作者の美意識が滲む素敵な歌で、「侘助」「落ちる椿」
「さざんか時雨」が的確に表現されていて学ばせて頂きました。
「真っ黒な猫」と言えば、菱田春草の「黒き猫」の日本画が思い浮かびます。
春草は37歳の若さで亡くなっていますが、横山大観が「春草こそ本当の天才だ」と
評価したほどの描き手でした。
事実「黒き猫」の神秘的な存在感は他の絵画を圧倒していると感じますが、そんな猫を
「さざんか時雨」と絡めて詠い上質な日本画を見ている心地がします。
「尻尾の切れた」は事実でしょうが、この歌の本筋からは省いても良いのでは
ないでしょうか。
「黒き恋猫」にフォーカスして詠って見ましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
★金の目の黒き恋猫抜き足で さざんか時雨に姿隠しぬ
【詞書】ソクラテスの妻クサンティッペにはクサンティッペの言い分が
あったのですが・・・。しかし、ソクラテスが生活の足しに成らない
議論を日がなしたからこそ今の哲学という分野は発達したのですから、
無用の用は大いに役立っていると言えると思います。
☆元気ではゐられぬ人もこの世にはゐて陰陽のこの世と思ふ
☆努めてもだうにもならぬことのあるこの世と思ふたとへば元気
☆元気なき人も元気のある人と同じ価値ある人間である
水仙さん
【解説】
ソクラテスは言うまでも無く哲学者として、また弁論家として歴史的にも優れた
人物でしたが、その妻クサンティッペは、長きにわたって、悪妻・悪女の代名詞の
ような評価を受けてきた女性です。しかし、家族の生活を支えるだけの安定した
収入すらもたらさない夫への不満は、ソクラテスが刑死するまで続いたものと、
推察致します。作者の言われるよう「言い分」があったと拝察致します。
なお、三首の歌で詠われている内容は作者の心からの叫びであり、訴えと理解
しました。諸々の情況で「元気いっぱい」になれない中で、それでも精一杯
誠実に歩みを重ねる作者を、温かく見守っていきたいと思っています。
「咲き盛る 日本水仙」
【詞書】先日、ファンとしているブログより自作の歌を聞きました。
始めての黄昏の経験〜と〜全ての方が経験する事だと思いました。
☆穏やかな 小春日和の リビングで
ミカンをひとつ 食べる幸せ
☆躍動の 日々を重ねて いま生きる
牛歩になっても 2人で進む
クロママさん
【解説】
作者も言われるように、人生の「黄昏」の季節は私たちも含めて、誰にも訪れ、
その場面に遭遇することを余儀なくされます。
その季節を愛おしみつつ、いかに豊かに、二人で歩んでゆくか、それによって
その季節が夕映えのように穏やかに輝やくものなっていくことを祈りたいと
思います。
二首の歌の、「穏やかな 小春日和の」「牛歩になっても」には、そんな思いが
込められていると考えます。
なお、小春日和は「穏やか」な日でしょうから重複を避け、少し手直ししてみました。
いかがでしょうか。
【ご参考】
★小春日に 二人でみかん つまみつつ
互いに笑みを かわす幸せ
【詞書】恋歌三首
☆名も知らぬ人にあこがれ行くバスのまぶしきゆえに声もかけれず
☆昔読む歌集をひろげ懐かしむはさみししおりに書きし恋歌
☆我が姿
川面にうつし流れゆく
思ひとなりて君にとどけよ
自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
恋と言う単語も忘れかけている歳ですが、たまには良いかと。
三首目は、栃木県小山市を旅した時に、市内を流れる思川という川の支流に
姿川という川の橋を渡ったとき、「姿」と「思」という川の名前に興味を
引かれました。
【解説】
定型を踏まえた作者の出詠歌は久しぶりですが、いずれも韻律と共に言葉の展開の
鮮やかさに学ぶもの大です。
三首目は「思川」「姿川」を隠れた歌枕として詠み込み、君への思慕を川の流れに
乗せて届けるという素敵な恋歌になっていると考えます。
恋心は歳を超越し大いに表現し、詠って参りましょう。私たちの世代には脳の
活性化の為にも大切な営みと思っていますが・・・。
☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
【詞書】引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
注) ☆:元歌 ★:返歌
☆冬木立きっぱり捨てるその枝に 冬芽は既に膨らみており
ポエット・M
★葉を落とし枝のみになる冬木には冬芽ふくらみ春を待つ見ゆ
★春を待つ冬芽のごとく膨らめるわれの心のなかのときめき
水仙さん
★公園のメタセコイアは葉をふるい三角錐の姿に眠る
夕庵さん
【添削】
★きっぱりと葉を落としたる冬木立 冬芽は既に膨らみてをり
リコさん
☆初詣 階段降りて 本殿へ クロも一緒の健康祈願
クロママさん
★三年ぶりの住吉大社の初詣 人恋う男女が笑顔で行き交う
夕庵さん
☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆
☆枯野にも明日への備え 種いだき あまたの草の命息づく
ポエット・M
【解説】
探梅や、散策に訪れる観音崎の丘陵の上には広い草原が広がっています。その草原は
草もみじに染まった後深い眠りに落ちていましたが、そこかしこに小さな種を抱く
はこべらをはじめ、多くの草々が見えます。
冬の淡い日差しを浴び、微かに萌える緑の若芽もあり、既に命の営みが静かに
始まっているかに見えます。そんな草々の息づく様を詠ってみました。
「早咲きの 河津桜」
「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (12)
3.白いブランコ(1)
〇青春夢遊ばせる春の夜は
星の煌めき白いブランコ
〇亡霊は心のなせる業なるか
さればなおさら永遠ならずや
嵯峨吹雪
忍び来て
二人でこいで
キスもした
星のふる夜の
白いブランコ
「ブランコの
弁証法って
なんですのっ」
あの時君は
真顔で聞いた
それはねえ
キスをさせたら
教えてあ~げる
等と答えて
ふざけたわたし
「あなたって
わるい人ねっ」と
いいながら
甘美なキスを
僕にした君
想いでの
揺れて哀しい
ブランコに
仰ぐは遥か
夜の天の川
註)「白いブランコ」の章は、今回から始まります。
「山茶花 淡紅」
【短歌入門・質問・提案コーナー】
この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
幸いです。
なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
それが学びに繋がれば嬉しい限りです。
【サロン参加者からのコメント】
自閑(jikan314)さんから紹介頂いた、正月の和歌です。
はつ春のはつねの今日の玉菷手にとるからにゆらぐ玉の緒
(新古今集、万葉集)
正倉院には、大伴家持がこの歌を詠んだ、孝謙天皇が養蚕の為に賜った玉箒
(子日目利箒)が模造されております。
新古今では、よみ人知らずとなっておりますが、古今和歌六帖からの撰歌
だからです。
正月(むつき)立つ春の初めにかくしつつ相し笑みてば時じけめやも
(万葉集)
お互い共に正月には笑い合うのが一番ですね。大伴家持の歌です。
千歳までかぎれる松もけふよりは君にひかれて万代やへむ
壬生忠岑で公任三十六人撰や和漢朗詠集にも撰ばれた子の日の歌です。
明日からは若菜摘まむとしめし野に昨日も今日も雪は降りつつ
(新古今集、万葉集)
山部赤人の歌です。七草粥は、遥か昔からの行事ですね😃
若葉指す野辺の小松を引き連れて元の岩根を祈る今日かな (玉鬘)
小松原末の齢に引かれてや野辺の若菜も年を摘むべき (源氏)
源氏物語若菜の題名となった和歌です。
新しき年の初めの初春の今日降る雪のいや重け吉事 (万葉集)
大伴家持が、天平宝字三年一月一日が立春と重なったと解されております。
元旦からもう22日も過ぎてとは、思われたかと?和歌や俳句は、旧暦が
基本で、22日は、旧正月です🎍ローマ教皇グレゴリオ13世が決めた
元旦で、歌は詠めないと言う天邪鬼ですね😁
【ネット歌会について】
「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。
各位に記入して頂いた短歌を基に、編集し、掲載させて頂きます。
従って、統一性や「お題」に向けた収斂性には欠けますが、面白いと思っています。
当面は、手探りでやってみたいと思っています。さらに、良いアイデアがあれば
各位よりお寄せ頂ければ嬉しいです。
「咲き初める 河津桜」
【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
(1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
(2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
(3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
(4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
(5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
(6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
(7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
(8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
(9) 投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
ニックネームのみでIDのない方、あるいは匿名の投稿は内容により掲載
できない場合もありますのでご了承願います。
了