四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
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『レジェンド&バタフライ』を

2023年02月12日 11時34分18秒 | お出かけ
 先月の『Dr.コトー診療所』に続いて、現在公開中の木村拓哉主演映画『レジェンド&バタフライ』を、横須賀汐入にあります横須賀コースカ・シネマズで細君共々見て参りました。

 「Dr.コトー診療所」は、2003年から2006年にかけて放送された人気テレビシリーズの16年ぶりの続篇で、コトー先生演じる吉岡秀隆をはじめ、レギュラー陣がほぼ全員再結集しています。すでに俳優を引退していた原剛洋役の富岡涼氏も例外ではなく、彼はこの映画のためだけに、俳優として復活したとのことです。

     「横須賀コースカ全景」
 皆さんのご覧になってからの感想を待ちたいと思いますので内容説明は控えますが、クライマックスが圧巻でしたので、少し触れたいと思います。
台風災害に遭った怪我人が次々と診療所に運び込まれてきて、自身病を抱え厳しい状況にあるコトー先生は、満身創痍で患者たちの治療にあたります。その中で、ノブおじの心臓マッサージの途中で力尽きて倒れてしまう。それを引き継いだのが原剛洋でした。

 「医者じゃなきゃ人を救えないっていう、そんなことを思ってるんだったら医者にならなくてよかったね」というコトー先生の言葉が、剛洋の心の底に響いた瞬間でした。
 剛洋は医者を目指しながら、奨学金が止められ経済的な厳しさもあり、大きくつまずきましたが、ここで立ち上がることができればいい医師になれるのではないか、という希望も表現されていました。現実の厳しさを冷静に見つめつつも、一縷の希望もしっかりと描いていくという映画人の良心を、ここでも感じました。

 『レジェンド&バタフライ』は、大河ドラマ、小説や多くの映画等で誰もが知る信長と、謎に包まれたその正室・濃姫(別名:帰蝶)の知られざる夫婦の物語でした。
 主演の木村拓哉が織田信長を演じ、綾瀬はるかが濃姫役で出演しました。脚本を手がけるのは、今年のNHK大河ドラマ『どうする家康』でも脚本を担当する古沢良太でした。『るろうに剣心』シリーズの大友啓史が監督を務めています。

 政略結婚という最悪の出会いから始まった2人は、いかにして真の夫婦となり、共に天下統一へと向かって行ったのか。また、魔王と呼ばれながらも時に悩み苦しむ信長を“ひとりの人間”として描き、その側で支え続けた濃姫との知られざる物語を描いています。
 信長の最期としてこれまで数多く描かれてきた「本能寺の変」が起きたのは、1582年6月2日。信長が信頼を置いていた家臣・明智光秀が一万三千もの大軍を率いて、京都にある本能寺に宿泊中の信長を急襲、対抗しきれないと悟った信長が寺に火を放ち自害したのは、あまりにも有名であり、多くの作品で映像化されてきました。
 「必ず帰ってくる」との濃姫との約束を果たすために、泥まみれになりながらも生きる活路を探し、最後まで足掻く木村の演技も圧巻でした。

 この映画は正に、日本の映画史に残る大作であり、「本能寺の変」を新たな視点で描いた最初の作品ではないかと思っています。また、戦国時代の新たな夫婦の在りようにも深く触れ、権力者のもつ底深い孤独感も見事に描き切っていると感じました。

コメント (8)
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