四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「歴史の現場」の一つ

2021年05月02日 10時44分10秒 | 日々の歩み
過日、細君の定期通院のアッシーとして浦賀にある病院に向かいました。連休の谷間とは言え、
その混雑状況に驚くとともに、待ち時間を予測し、かねてから気になっていた東叶神社を
訪ねてみました。この地に長く住みながら、ゆっくり訪れお参りするのは初めてでした。

この神社は、幕末に、遣米使節の護衛艦となった咸臨丸の艦長として、太平洋横断を
成し遂げた勝海舟が、航海前に水垢離をした後、山頂で断食したと伝えられています。



艦長である勝海舟としては、冬の太平洋横断の厳しさを想うと、舟玉明神を祀る
叶神社に、切実な思いで祈願したであろうと想像できます。

神社にお参りしたのち、拝殿左側の石段(産霊坂)を上り断食したと伝えられる明神山の
山頂に至りました。
かつてテレビの番組でも取り上げられて、出演タレントが「二度と来ない」と言っていた石段は、
かなりの急傾斜で200段を超えていました。日ごろジョギングと水泳で鍛えているとの自負も
私にはありましたが半分ほど進んだ段階で、ふくらはぎがぴくぴくする状態となり、タレントの
言葉の意味を改めて実感しました。

スダジイ、マテバシイの茂る明神山の山頂には奥宮が鎮座して、対岸の房総半島が一望できました。
ここには浦賀ドックで殉職した人の慰霊塔があり、現在の住友重機械工業に引継がれているとのこと。

コロナ禍の中で、スポット的に空いた時間でしたが「歴史の現場」の一つに立つことが出来、
改めて貴重なひと時を持つことが出来と感じました。

こんな経験も含めて、最近即興で詠んだ短歌を、掲載したいと思います。

 ☆晴れ渡るメーデーなるもコロナ禍に 籠り強いられ祭り遠のく
 ☆連帯は籠ることなり それぞれが己をしばりコロナ禍凌ぐ
 ☆竪琴を鎮魂籠めて弾きたるもビルマの春は未だ凍てつき
 ☆草笛に応えてくれる鶯の鳴き交わしいる新緑の森
 ☆野に遊ぶ遥かな日々の一齣を偲ぶことあり コロナ禍のもと
 ☆風なくも散りゆく花の覆いたる うす紅の道マスクしてゆく
 ☆コロナ禍に染まらぬ花よスズランの 真白き鈴に福音あるや



 ☆一筋の木漏れ日に浮く落ち椿 散りたるのちも 命際立つ
 ☆見上げればさらに空向く花水木 コロナ禍なれど上向きあゆむ
 ☆二人して一人前と言われたる 若き頃より変わらぬ我ら
 ☆青梅は葉陰に既に膨らみて 花の卯月も既につごもり
 ☆咲く力 散りゆく力花は秘め コロナ禍なれど実を育ている
 ☆会えぬ友ズーム飲み会誘い来る コロナ禍ゆえの新たな宴
 ☆花吹雪 記憶はるかな葉桜の 葉陰に淡き 今宵ピンクムーン 
 ☆建て前かシニア支援は コロナ禍に トリアージゆえに無視されてゆく
コメント (17)
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