県知事選でも争点の一つとなる浜松新野球場。
県を巻き込んだ浜松新野球場構想は誰によっていつ動き出したのか。肝心の費用負担は当初どう考えられていたのか。それを明らかにしておきたい。
そして、川勝知事は当初、全て県負担を求めた浜松市長鈴木康友に異論を持っていたという事実も。
どうせ赤字の維持管理費も県民負担だ、地元のためにドームをなどと、
県民のために使われるべきお金が、一部の権力者によって我田引水に使われないように切に願う。
知事協議
平成26年8月19日(火)9:31~10:03
川勝平太知事
交通基盤部 野知部長、石川都市局長、松浦公園緑地課長
文化・観光部 藤原観光交流局長、疋田交流推進課長、山本スポーツ交流室長、加藤観光交流局参事
吉林知事戦略監、佐藤
交通基盤部:8月22日(金)に、鈴木浜松市長と、(一財)静岡陸上競技協会の和田会長、鈴木修顧問(スズキ自動車会長)が、浜松市における県営の第1種公認陸上競技場及び野球場の建設について、陳情に来る。
(陳情の要旨)
2019ラグビーワールド杯開催に際して、エコパスタジアムの改修が必要となるが、復旧工事に数億円の費用がかかるのであれば、復旧工事を行わず、その浮いた費用で、県により、現在の浜松市営四ツ池公園陸上競技場(第2種陸上競技場)に代わる第1種陸上競技場及び浜松市篠原地区への津波避難所機能を兼ねた野球場を建設することを要望するもの。(注:国際陸上競技は第1種競技場でしか開催ができない。)
交通基盤部:1つの県で複数の第1種公認陸上競技場を持っている県は、静岡のほか、大阪、兵庫、長崎くらい。かつ、県営で複数持っているのは静岡のみ。エコパ改修期間中の国際大会は2019年5月の「静岡国際陸上」のみであり、草薙で代替が十分可能。
浜松市篠原地区への津波避難所機能を兼ねた野球場も、市からの要望区域(約25ha)では用地買収だけでも40億かかる。隣接地のトビオ水泳場の南側区域(約5.2ha)なら市有地で用地は既に確保されており、さらに、南側の防潮堤との一体利用も可能なので、県としてはそちらの方が候補地として適当と考えている。
市の要望は県がすべて整備してくれという要望だが、いずれの話も、既存の施設や市有地の活用により対応する方が現実的と考えられる。
知 事:浜松市は、50億円目標で野球場のための寄附金を集めているはず。それを使って(トビオ水泳場の南側区域に)避難施設兼用で野球場を作ればいい。野球場は一般的にどれくらいの広さが必要か?
交通基盤部:愛鷹球場や草薙球場の例では約4ha。(駐車場除く)
知 事:それなら、市は用地費の40億円が浮いたと思ってトビオ水泳場の南側区域市有地(約5.2ha)があるのだから、そこに津波避難施設を兼ねた野球場を建設すればいい。津波避難施設兼用ということなら国も金を出してくれるかもしれない。浜松球場の跡地に新陸上競技場を作る場合、旧陸上競技場の跡地はどうするつもりか。
文化・観光部:新陸上競技場のサブグラウンドとして活用予定。新陸上競技場だけでは2種の認定しかとれないが、サブグラウンドがあれば2つ合わせて1種の認定がとれる。
知 事:浜松市は野球場、陸上競技場などすべて市営で、中部·東部には県営の立派なものが整備されていることをひがんでいるのだろう。すべてを県が整備するという訳にはいかないが、防潮堤の整備とからめて津波避難施設を兼ねた野球場を作るという話であれば、こちらとしても渡りに船だ。そもそもこの話は自分が水を向けた話で、千載一遇のチャンスだ。その意味で「早く決めろ」と言われているのは私の方だと思っている。
知 事:県としては、篠原地区への津波避難施設を兼ねた野球場は作る(市による整備を支援する)。エコパは改修後、元に戻す。私はプロ野球を持ってくるなら、この球場しかないと思っている。ただ、県営球場は県民全体のものなので、プロ野球を持ってくるには制約が多い。甲子園球場みたいに夏の高校野球期間中は空けなければならないではプロも困るだろうし、県営でない方が対応しやすい。
知 事:先日、伊豆市のベロドロームに橋本聖子参議院議員と国際自転車競技団体の会長が視察に来た。今、自転車や馬術のオリンピック会場を招致するべく動いている。2年後にはG8サミットもくる。富士山·南アルプス·世界農業遺産のほか、来年、伊豆(ジオパーク、反射炉)の世界タイトルも手に入る。その次は、人が作るもので世界を狙う。それは食であり、スポーツであり、健康寿命だ。空港新駅も作る。9月補正予算にそのための予算を計上する。空港周辺を世界標準の玄関口にする。東静岡にも玄関口を作る。皆さんも、それらのことを念頭に置いて、静岡に世界を呼び込むまたとないチャンスだと思って、長期的な視点で動いてほしい。
文化・観光部:鈴木修氏(スズキ自動車会長)の真意は、四ツ池の陸上競技場の改修は市にやらせるということらしい。その趣旨で、陸連から市に別途陳情書を出させる方向で動いているとのこと。
知 事:承知した。
【知事協議】
平成26年12月25日(木)17:39~18:16
川勝知事
難波副知事
交通基盤部 野知部長、又平部長代理、村松理事、増田理事、
内山政策監、石川都市局長、松浦公園緑地課長、宮尾街路整備課長、森見路整備課長代理 ほか
吉林知事戦略監、植田
交通基盤部:来年度、県は基本計画を進める費用について30,000千円、市は防災に関することについて3,000千円負担するという形で進めたい。施設は県が、用地買収は市が行い、県市共同で整備を進める。
知 事:私はできればドーム型にしたいと思っている。野球場建設のための寄付を募り、寄付したいと思うような雰囲気を作ってください。
交通基盤部:来年度は、基本構想に取り組み、水泳場の南側の用地で収まるかどうか、レイアウトを書きたいと思っている。防潮堤のスケジュールと併せて進めたいという市の意向に沿って進めたい。
知 事:オリンピックの野球会場として使うことができるように、2019年までに作ってください。
吉林知事戦略監:野球場は県営にしますか、市営にしますか?
知 事:県は防災の観点からしか発言しない。今の段階では明言しない。経営を任されたら大変。最終的にはプロ集団、中日ドラゴンズかヤクルトスワローズに経営を任せたい。
難波副知事:PFIの事業を導入するなど、多様な整備手法で行うということですね。
吉林知事戦略監:中日ドラゴンズは、名古屋ドームがあるので、仮に中日ドラゴンズが受けてくれた場合、準フランチャイズのような扱いになると思う。
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