岐阜のリニア工事現場付近で14か所の井戸や水源で水位の低下や水枯れが起きた問題が現在進行している静岡県知事選挙に影響を及ぼしている。
大村慎一、鈴木康友ともに出馬表明当初からリニア推進を表明し、水問題はもはや問題ではないかのように「配慮」という言葉でやり過ごしていたが、その後水問題などを理由にリニア工事に反対する候補が出たり岐阜の水事件が大きく報道されるに至って、両者ともにリニアの水問題を重視した発言をせざるを得なくなってきたのである。
特に大村慎一は公約としていたリニア問題について突如「1年以内に結果を出す」と、みんなの意見を聞くという最初のイメージ戦略とは真逆の強引さ(リーダーシップ)を打ち出すかのような公約を出し懸念を持たれていたが、JRの対応に問題があるなどとして「1年以内に解決する公約はいったんストップした」と豹変。
一方の鈴木康友も、具体的な解決に向けて協議は詰めの段階にあると、田代ダム案で水問題など大きな問題はもう残っていないかの如く、次の段階である静岡空港新駅の整備促進協議をJRと行うなどの具体的取引に言及し得られるメリットを強調していたが、ここにきて川勝の慎重姿勢を評価するとして水問題重視を強調する姿勢を強調している。
突然の知事選で勉強が足りないのはわかるが、どちらも、軽率との謗りは免れない。
にも書いたが、血管のように地中を巡っているみず道が全て解明されない限りリニア水問題はギャンブルをするかしないかの問題でしかない。
いったん水を失ったなら元には戻せず、まして因果関係の証明など不可能に近い。
だからこそ、リスクがあることを偽りなく伝えた上で、
政治家や専門家でなく流域の利水者(もちろん全員とは言わないが)が納得をしないままで解決した、と言えるような問題では決してないのである。