「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

2018年を迎えて

2018-01-03 21:04:00 | 雑感
平成の世もあと1年余を残すばかりとなった2018年を迎えました。
この平成の世を後世の人はどのように評価することとなるのでしょうか。
世界規模で見ればナショナリズム再興とテロ興盛の時代、国内的には官僚政治の専横による国民抑圧の始まった時代というところでしょうか。
昨年起きた森友・加計の事件はまさに官僚の今ある姿を如実に映し出すものでした。
政権にとって(それは同時に官僚自身にとって)不都合な文書は規則違反を承知で存在しないものとし、単なるミスで済まそうとする官僚強弁に、不都合な人物には圧力をかけて言論を封じようとする手法と、それらを評価する政権。
これこそ国民の意思を離れた過度の自負心と無答責を特徴とする官僚政治の始まりであり、後藤新平が評した官吏的奴隷主義(官吏の受領した命令が、正義公道に背反した場合ですら、唯々諾々として盲従する主義)が蔓延した姿です。
具体的には、内部告発を行おうとした文科省の事務次官の言論封殺のためのスキャンダルリークなどはまさに恐喝であって国民に対して恐浮ウえ覚えさせる演出です。
さらに、本来ならば責任を取ってしかるるべき理財局長をこともあろうか国民からの国税徴収を扱うトップに就任させるなど、これら開き直りともとれる政治姿勢は権力中枢の腐敗のみならず、国民の信用喪失を、引いては国家の弱体を招く所業というべきでしょう。

官僚政治の弊害を喝破した後藤新平は次のように指摘しています。
「冷淡に、形式的に、そして盲目的に国家と称する機関に付着して、車輪のごとく無意識に回転するものは、今日の時勢によく適応して、時とともに昇進するのである。この車輪の本質は、無性無神の一物体に過ぎず、多々の報酬も一層の尊敬も結局のところ人間の価値と交わらぬ」
「政府の内命は、往々にして官吏の良心と衝突し、しばしばその堕落を誘起する」
「官吏が自己は完全な権利を有し、第一に社会に仕え、第二に国家(思うに国家は社会のために存在するものであって、社会は国家のために存在するものではない)に仕える公民であるという、自覚を有するようになったとき、彼らは初めて国家の恩恵を、十分人民に知らせることができよう。」(後藤新平「官僚政治」より)

基本に立ち返って考えましょう。
私たち一人一人は決して国家のために存在するのではありません。これは人と人の共同体すべてについて言えることです。
私たち一人一人が自己のことのみに執着し社会について考えることや行動することを諦め、沈黙したならば、この状況はますます悪化し社会は再び闇に包まれます。沈黙からより良き未来は決して訪れません。
こういう時代だからこそ、私たち一人一人が正義(善き人々が安全と安心を共有できる社会の実現)について考え行動する時なのです。

明日から全国大会

2016-09-23 20:10:00 | 雑感
ここでは、ご無沙汰です。
今、明日からの全国市民オンブズマン全国大会のため高松入りし、地酒と天ぷらを楽しんでます。
昨夜夜行寝台列車で出発し、高松入りしました。
今日は天気が悪かったので山は諦め金毘羅さん参りなど観光してきました。
明日からの大会の報告はここで行いたいとおもいます。
おそらく話題の中心は富山県などで注目の政務活動費になるかと思いますが、それも含め報告します。

机上の空論?奨学金ばらまきで税収増のからくり

2015-04-08 21:11:00 | 雑感
静岡空港の経済波及効果計算を請け負った同じ学者が、毎年学生200人に県内就職を前提に奨学金50万円を支給すれば、大きな経済波及効果が生じ、10年~20年で税収増効果によりペイできるという試算を発表したとの記事が今日の朝日新聞県内版にありました。

そんなおいしい話があるのでしょうか?
よく読むと、空港の経済効果と同じで、「需要の移転」を考慮していないことがわかりました。
つまり、この学者の試算は、200人全員が県内に定住し就職する「純増」であることを前提としているということです。

これは、静岡空港の経済効果を算出する際の、「静岡空港の利用者全員が空港がなかったら旅行しなかった人々である(=空港利用者全員が純増旅行者)」という前提と同じ、非現実的な前提です。

現実には、奨学金をもらった者が元々県内に就職するつもりの者であるなら「奨学金をもらわなかった者」が「奨学金をもらった者」に区分が変わるだけで経済効果に変動が生じるわけがありません。
また、県内企業の採用枠自体が奨学金の有無で変動するわけではないのですから、採用枠自体が奨学金効果で増加しないならば「奨学金をもらった者」が採用されれば、その分「奨学金をもらわなかった者」の採用が減ることになるだけで、これまた経済効果に変動が生じるわけがありません。
それを、「奨学金をもらわなかった者」のマイナスを無視し、「奨学金をもらった者」だけで経済波及効果を計算することで大きな効果が生じて、税収まで増えるというフィクションが生まれてしまったのです。
換言すれば、この学者の試算は、奨学金を受けた学生は元々は県内に就職する予定の者ではないことに加え、県内の大卒採用枠が、奨学金の支給により毎年200人づつ増え続けなければ成立しない虚構なのです。
売り手市場の就職状況ならいざしらず、この就職難時代にあまりにも現実離れした虚構というべきです。

それよりも、これをマスコミが無批判に垂れ流す異常さのほうに、驚きを隠せません。
ジャーナリストの正義や批判精神はもはや過去のものなのでしょうか。

空港運用時間延長のために年間6億円の補助金

2015-03-26 21:15:00 | 雑感
ホームページ本体の方は更新していますが、こちらの方がおろそかになってしまい、久しぶりの更新です。
今日は今朝の新聞各紙が取り上げていた静岡空港の運用時間延長のことと、あす県議会で採決が行われる新教育長人事について、感想を述べたいと思います。

まず、先ほどホームページの方に「平成27年度予算 空港隣接地域賑わい空間創生事業費」を掲載しました。
これは、当初は開港から5年間の約束で騒音施設の空港を誘致した地元に特別な補助金を県が出すというもので、本来ならばこの3月で終了するはずのものでした。

ところが、来年度も引き続き、というよりもさらにパワーアップして、なんと6億円もの補助金を平成27年度に予算に計上してきたのです。
さらに、この補助金、今度は10年間続けるそうです。

そして、その口実に使われたのが、運用時間の延長です。
これまで、朝7時半から13時間だったものを、朝7時から夜10時までの15時間にしようというものです。
ここで、補助金を継続して欲しい地元と、運用時間を延ばしたい県の思惑が一致したのです。
地元は、騒音だけもらうのはおかしい、金を、と要求し、結果6億円もの補助金で手が打たれたのです。
いわば、365日間の2時間延長を6億円で買ったようなものです。

百貨店が客からの要望があっても夜遅くまでやらないのは人件費や光熱費の増加に対して売り上げは伸びず採算に合わないからです。
空港は採算無視で良いのでしょうか。
運用時間延長にこれだけのお金をつぎ込むほどの公益性が認められるのでしょうか。
異常な状況としか見えません。
次に、明日採決が行われる新教育長人事についてです。
ご存知の方も多いでしょうが、これまでの経緯を振り返りますと、3月2日の県議会総務委員会で何事もなく可決した知事提出の新教育長議案が、3月18日の県議会総務委員会では一転して否決されたというものです。
この原因は2月27日に新教育長の過去の犯罪歴に関する匿名の投書が教育委員会にあり、同日知事に伝達したにもかかわらず、このことが県議会側に隠蔽され可決され、そのことが可決後に議会側に知れ、再審議した結果、否決となったわけです。

知事は早速、記者会見で、議会側が経歴について問題視していることを「針小棒大にしている」と非難しましたが、県議会側はこれだけを理由として否決したわけではないように思います。

新教育長候補の委員会での質問と噛み合わない発言、その前日に候補者が行った記者会見での不遜な発言、これらは過去の罪を全部差し引いて消しても、この人でいいのかと思わせるものでしかなかったからです。

中でも一番違和感を覚えたのが、「教育長にふさわしいのは自分しかいない」という趣獅フ発言です。
私が私がというのは最近の流行りなのかもしれませんが、和光同塵の美しさも感じられません。
また、犯罪者をかばったことを「誇りに思う」という発言も時代錯誤の感が強く、法治国家の教育者としては如何なものか。知事はこれを「人助けから行ったことで、武士道的な人柄が表れている。人生の勲章だと思う」と称賛したそうですが、武士道的なものなら、むしろ、自ら身を引く覚悟があってしかるべきというものでしょう。その覚悟がないままでやったというのなら、武士道どころか単なる保身のための言い訳に終始する小人というべきです。

先週の週刊ダイヤモンドでは県民アンケートによる知事の支持ランキングが掲載され全国20位と振るわない結果となっていましたが、これでは、ますます落ち込む一方となりそうです。
他に対抗できる人物も見当たらないからと安心しているのかもしれませんが、気を引き締めて真っ当な行政をやってもらいたいものです。

究極の税金バラマキ「空港アクセス向上事業」

2015-03-09 22:23:00 | 雑感
最近、新聞・テレビなどで大きく広報宣伝している格安乗合タクシーによる静岡空港のアクセス改善。
これについては、片道1人1,500円で浜松市内と静岡空港を乗合タクシーで結ぶというもので、既に3月1日からの5日間で46人が利用し、200人程度の予約も入っているということです。
でも、この取組にどれだけのコストがかかっているのかは不明でした。
そこで、入手した予算調書から計算したところ、片道1人当たり6,400円の税金が投入されるという事業計画であることが判明しました。(これについては、ホームページの方で詳しく説明しています。)
恐らく、利用した人も利用しようとしている人もこのことは全く知らされていない事実です。
もし、知っていたらみなさんは利用するでしょうか。
安くなるなら利用するよという人ももちろんいるでしょう。
でも、常々税金の使途に疑問を持っている人ならばそうはならないと信じたいところです。
想像力・認識力が健全ならば、予約したばかりに、往復の利用で1万2800円もの税金が本当に行政の助けを必要としている人のために使われないばかりか、借金漬けの財政の中では間違いなく次世代の負担としてつけ回されるであろうことを十分認識できるでしょうから。

これは、誰の何のための行政なのか、まるで眼中にないような税金のバラマキです。
全体が見えずにただただ言われるがまま局地戦を戦っているようなものです。
曽於上、大本営発表のとおりに不都合な真実を伝えないマスコミも実に情けない限りです。