思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

「心から出て、心に還る」 斎藤秀雄

2012-03-09 | メール・往復書簡

以下は、ある方への手紙(メール)の一部です。



小沢征爾らの先生の斉藤秀雄(彼を記念して結成されたのがサイトウキネンオーケストラ)は、
いつもいつも「心で歌え!心で歌え!」と生徒たちに言い、
音楽も人生も、「心から出て心に還る」、と話したとのことです。

確かに、
カタチー形式ではなく、
内容―心の豊かさ・深さが
人の生きる価値であり、ほんらいの人生というものです。

勝ち負けや外見的な美や世間的評価(有名か無名)に従う人生は、人生の「内容が貧しい」としか言えません。
真善美に憧れつつ生きるというのが「よき生・優れた生」であることは、哲学の実践的な勉強会に長年通われている○○さんは、よく御存じのことと思います。

人間の生は、真善美に憧れつつ生きるという次元と、
現実的な次元(利害・得失)をもちますが、
それは、平面的にふたつが並んでいるのではなく、立体的なものです。

人が生きる目的は、よろこびの世界を拓き享受すること=ロマン的・理念的世界の開発(真善美への憧れに基づく)ですが、
それを支える手段としての現実次元をもち、
この両者が立体的に一体化してはじめて人間の「人間としての生」は成立するのですね。

・・・・・・・・・・・


武田康弘
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