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武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

視座の変化ー海外からの目 「日本はひらかれていない・鎖国しているみたい」   染谷裕太

2013-05-21 | メール・往復書簡

 

   視座の変化                         染谷裕太

 

今まで、日本の自然や文化や政治問題について考える時、
あたりまえですが常に「日本での生活」から考えていました。
しかし、これほど海外生活が長くなると、心身ともに日本からの距離が遠くなって、
日常生活の場が完全に外国になり、今まで日本の生活から生まれる考えで日本を見ていたものが、
今いる「海外の生活」から生まれる考えで日本を見るようになりました。
どう頑張っても外国人にはなれないので、外国人からみる日本というのは分かりませんが、
今の状態はそれに近い感覚なのかなと思います。

そしてそんな状態から見ると、日本は一言で言うと鎖国している様に見えます。
民主党の改革が失敗に終わり、再び戦前の状態に戻すような政治が行われています。
普通、先進国になるほど、市民が賢くなり戦争という最悪を避ける方向に進んでいくものですが
今の政権は中国、北朝鮮、韓国を敵視し、関係を悪化させる言動をとっています。
中国などを「危ない国」として口に出す人ほど、その危ない国と関係が悪化するような態度をとる。
普通の感覚であれば、危ないのであれば争いの起きない関係の構築を目指す以外ないと思うのですが。

先日、道中で出会ったコロンビア人の家に泊めてもらったのですが、
当然会話はスペイン語。半年スペイン語圏を旅しているとはいえ、
言語を習得する意欲が低いので日常会話レベルですらほぼ分かりません。
いつもの自分なら会話は分からないから諦めるのですが、
向こうは1回で分からなければ、何度も何度も粘り強く話しかけてきてくれました。
それにつられてこちらも辞書で調べながら返していくと、
全然分からないはずなのに、不思議とコミュニケーションはとれました。
完全に心を閉ざしていないかぎりは、どちらか一方が粘り強く話す姿勢をもてば、
会話も関係も成立するのだな、と気付かされました
これは政治の場であっても同じだと思います。政治でも最終的には人と人の対話ですから。
でも残念ながら、現総理は粘り強く話しかける態度をもった大人の政治家ではない。

これほど経済が発展し社会も一定の成熟をした国にも関わらず、
あなた明治時代の人物ですか?というような古い考えをもった人間、
現実の皮膚感覚が欠如した人間が政治を行い、それを支持する人が多い。
自分の想いを成就させることが絶対で、周りが見えていない、
憲法のなんたるかさえ分かっていない人間が総理になっている。
普通、辞任に追い込まれるくらいの事だと思いますが、そのまま続行。
昔、日本は他国から学び、急速に近代化を進め、経済も発展させてきましたが、
今現在は学ぶどころか逆戻り。

政治以外でも、外国の企業が他国でも通じるモノを作る中、
ガラパゴス携帯(今はスマホが主流ですが)と言われるような
日本でしか使えないようなものをつくったり、
中小企業が画期的なものを作っても中身を見ようとせず認めず、
外国の企業がその商品を認めて、それを見て初めて日本の企業も認めたり。

こういった逆行しつつある状況と、排他的な態度と、
これは直接関係はないことですが極東の島国で国土が海に囲まれているという地理的な見た目も相まって、
「ひらかれていないな」「鎖国してるみたいだな」と感じました。

出来る力は100%持っているのに出来ていない。これほど惜しい国が他にあるだろうかと思います。
以上が海外で長く生活して感じた「日本」です。

ちなみに日本の風土。
自然や食文化、治安や衛星状況などについては、
「良い」という思いが深まる一方で特に目線の変化はありません(笑)

 

染谷裕太

(裕太さんは、中1から大学卒業までの10年間、『ソクラテス教室(白樺教育館)』に通い続けたわたしの教え子です。昨年6月に≪自転車で世界一周3年の旅≫に出て、いまは南米にいます。武田)

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1 コメント

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no philosophy (noga)
2013-05-23 15:21:35
>【ワシントン=竹内洋一】米議会調査局が日米関係の報告書をまとめ、旧日本軍慰安婦問題などをめぐる安倍晋三首相の歴史認識について「(東アジア)地域の国際関係を混乱させ、米国の国益を害する恐れがあるとの懸念を生じさせた」と指摘した。
>米有力紙にも首相の歴史認識を批判する社説が相次ぐなど、東アジアの不安定化要因として危惧する声が高まっている。

過去を学んで、未来の姿を制作する。
これは、非現実 (過去・未来) の内容を扱う学問である。英米流の高等教育である。
過去の内容があやふやでは、未来の世界の内容もあやふやになる。
小言・片言・独り言の類を使った発言では、過不足のない内容の世界観を構築することはできない。
未来における「あるべき姿」を主張できないから、過去における過ちにも結論をつけられない。
現実を基準にとれば、’事の次第’しか出てこない。だから、’過ち’の断定はなく、その行動は改められない。

日・中・韓の言語 (文章) には、時制 (現在・過去・未来の区別) がない。
これは、特亜三国の特徴か。揉め事はあっても、共同作業はない。現在 (現実の中) をさまよっている。
哲学を合わせなければ、理想 (非現実) を実現 (現実化) する共同作業に力を合わせることは難しい。
君子は和して同ぜず。小人は同じて和せず。日中韓は和せず同ぜず。
夢もなければ希望もない生活が続いている。閉塞感に陥る。
頼るは、信にしくはなし。英語を使って、頭を鍛えるのが良い。
耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで、もって万世のために太平を開かんと欲す。

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