思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

正しい暦=太陽暦は、エジプト暦→ユリウス暦→小改良で現代の世界暦。 (元号を公共の場で使うのは困る)

2020-01-27 | 学芸

  正しい暦=太陽暦は、エジプト暦→ユリウス暦→小改良で現代の世界暦。 

 

 現代に至る世界暦の最初は、4000年以上前にエジプトでつくられたものです(シリウスを観測する太陽暦)。1か月を30日として12カ月で360日、それに特別の休日5日を加えて365日としました。

 エジプトの天文官は、365日だと約4分の1日分がヅレていくことは承知していましたが、正式に4年に一度の閏年(うるうどし)を入れた暦は、だいぶ時代が下った紀元前45年に、ローマ共和国のユリウス・カエサルが制定しました。これが「ユリウス暦」です。

 ただし、1年を365、25日(365日と四分の一日)としていますので、より正確な1年=約365.2422日とはわすかなズレが出ます(1年間で11分強)。それをユリウスによる制定から1600年ほど経った1582年に修正し、400年間に100回の閏年を97回に減らしました。ユリウス暦を修正したわけですが、これをカトリック教会は、ローマ教皇の名にちなみグレゴリオ暦としたのです。

 グレゴリオというローマ教皇の名によって誤差修正を行い、ユリウス暦をキリスト教会の暦であるかのよう見せるために名称を変えたのです。ユリウス暦はキリスト教とは無関係(キリスト生誕前)でしたが、ユリウス暦の修正とは言わずに、グレゴリオ暦という異なる名称にしたのは、ローマカトリック教会の詐術です。そういう事情で、現在の暦は「グレゴリオ暦」と呼ばれています。

 なお、ADとは、ラテン語で、アンノドミニ(Anno Domini)の略です。これは「主の年に」という意味ですが、この言い方は、10世紀ころから欧州で使われはじめ、15世紀以降に一般化したものです。しかしイエス・キリストの誕生は紀元前4年ないし5年ころとされますので、生誕年とは一致しません。

 19世紀以降は、世界暦であることをはっきりさせるために、AÐではなく、CE(Common Era=「共通紀元」)に変える動きが広まっています。紀元前は、Before Common Era(BCE)。

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 元号を公共の場で使うのは困る。

 その国の王が死ぬと(あるいは退位すると)、時代名を変える。その国に住む人びとの時間感覚をいやでも王の名と結びつける。こういうシステム=元号制度は、世界中でやめ、21世紀の今日で残っているのは、日本ただ一カ国のみです。

 少なくとも公や公共の場面では、元号ではなく、世界暦にしないと、不便・不合理(何年前か後かがすぐには分からない)のみならず、世界との共時性、通時性が得られなくなります。

 また、何より天皇と結びつけた元号の役所における実際上の強制は、新憲法となり、国の主権者が天皇から国民に変わった戦後社会では、明白に憲法違反です。13条の個人の尊重、第19条の思想及び良心の自由、24条の信教の自由を犯すものです。


武田康弘

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