Maintenance SHIOHOUSE

■SHIOブログ■
「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

車検祭りⅡ

2013-09-05 09:27:00 | CB400F/350F
ここのところ車検の車両をこなすので精一杯
車検場に持ち込むにもなんとか
一回で済ませたいところです。
光軸は近所のテスター屋で合わせられますが

ここの所何かと引っかかる
「いままでこんなところチェックしなかったのに」なんてことが
多々あるのですが
これは検査官によって見るポイントが違っていたり
時期的のものでしょうか?時折重点ポイントが変わるようです。



今回引っかかったのは音量
ヨシムラのマシンベンドのストレートサイクロン(JMCA)が付いていて


購入後約1年半、新しいうちはグラスウールも飛んでおらず
事前に店でハンディタイプの騒音計で計測しても99dbまでは行かずに
問題ないだろうとそのまま持ち込んだ。

いざ持ち込むと車検証を見ながら測定して97.3db
本人「ほっ」としていると
「このバイクプレート無いんだ?」と検査官
年式を特定できる物が無いと車検証の初年度が製造年となり
その年式の規制値が適応される
検査官曰く、このハンディタイプのテスターときちんとした騒音計では
数値に開きがありこの数値では無理とのこと
「いやいやいや~初めて聞きましたから~」

オーナーさんプレートは
レストア時、フレームを塗った際に外して捨ててしまったそうな

これがそのプレート(他車のもの)

これで74年11月製造というのが分かります。

車検証は

初年度が平成8年となっていますから
製造年の分かるものが無いと平成8年製造車とみなされます。
(いかにもお役所仕事ですねぇ)

このように車検証に記載があれば話は別です


とりあえず、年式の分かる資料を持ってくるか、音量を静かにして来てくださいと

一度店に帰り、秘蔵の資料を持って再度車検場に赴き
なんとか通してきましたが
「これで毎回必ずしも通るとは思わないように」と釘を刺されました。

この車両、そういえばメンテナンス時にもいろいろあったのです。
順序が逆になっちゃいましたね

ブレーキを分解すると

マスターシリンダーは特に酷く


何年開けていないだろう?

前後ホイールはバランスウェイトが付いていない?
まさか普通タイヤ交換してバランス取りは当たり前のことですから
ウエイト無しでバランス取れているのかと思いながら
バランサーに載せると

ありゃりゃ!
前後とも30gのウエイトが必要でした。
おそらく省略してしまったのでしょうね
原付スクーターならまだしも
高速道路を走れるオートバイの場合
高速走行時に振動の原因になったりします。
意外とショップでもやらないところ多いですよね
「なぜだろう?」

この辺は専門店で無いと分からない部分で
パーツリストを見ずにバックアップも取らずに作業すると
こんなもんだろうで付くように付けられてしまう

アクスルシャフト=逆向き
トルクロッドのパネルのジョイント部の
ストッパーアームクッションラバーは入る位置がおかしい?
ワッシャーも径が小さいものに変わっている

スイングアームを外すと
ここも誤組み

10mmプレインワッシャーと8mmスプリングワッシャーの組み合わせ
本来は
10mmスプリングワッシャーと8mmプレインワッシャー
そしてナット
そんな順番です。

ピボットを洗浄するとなぜかパーツクリーナーが赤く染まります???

 
左のチェーンアジャスターが砂まみれ

スイングアームの塗装時のサンドブラストの砂が残っていたようです
周辺じゃりじゃりでした。
出来る限りエアブローして排出しておきたいものです。

オイル漏れの訴えの有ったテンショナーセッティングボルト
外すとOリングのサイズが違っていました

左:純正品、  右:付いていたもの
汎用のOリングでも使ったのでしょうか?
サイズが合わないとオイル漏れやOリングの破損に繋がります。

磨耗させない為にも摺動部分はグリス塗布はセオリーですが

う~~ん、なぜカラカラ
そういえばスイングアームピボットも妙にグリスっ気が少なかった
グリスがはみ出て汚れるのが嫌なのか?
当店では総合点検では摺動部には容赦無しで適材適所グリスやスプレーグリスなどで
潤滑します。
磨耗する方が嫌ですよね

オイルフィルター交換時、マフラーを外しますが
作業後マフラーを装着するとスタッドが1本どんどん抜けてくる

ネジ山終わっていますね
古い車両ですからこんなことも良くあること
再度マフラー外してヘリサート修正します。

さぁ問題は磨耗したブレーキパッドをどうするか?
APの古いタイプのおむすびキャリパー
メーカーには在庫は無く納期がやたらかかるらしい、社外品にも設定は無い様子
かといって残量がほとんど無く持たないだろうし
ギャンブルしてローターまで傷を入れては意味ないですし
他車種流用で加工するしかないでしょう


カタログで寸法を見て現品より大きく加工しろのあるパッドを探す


外周を切削加工して寸法を合わせます
同じ位置に穴を開けます

合わせてみて厚みが厚く入らないため

これまた、表面を切削します

出来ました~


素材+加工費用で純正品よりもお高くなりますが
パッドが無くて乗れないよりは良いでしょう
※消耗品が手に入りづらい車種にお乗りの方は
事前に手に入れてストックしておくべきでしょう