さて、先日バラしたCB400Fのエンジン
20℃の恒温室で一晩寝かせて計測です。
冬場、夏場の計測、エンジン組みは天国です。
エンジン部屋だけが空調完備なのです。
工場用にエアコン本体は用意してあるのだが
誰か安く取り付けしてくれる業者さんいないかしら?
身体で払うのもありですね。(O/Hど~んと来い!).....(笑)
詳しくチェックしていくと身の毛がよだつものが......
カウンターシャフトのニードルベアリングが粉砕している!
シャフトも磨耗してえぐれている!?
って云うことは....カウンターシャフトがカタカタ遊んでいたんですね。
だからたまに走行中にキックアームがカタカタ動くわけですね!
健常品との比較、シェル内部も偏磨耗しています。
何故こんなことが起こるのか?
シェルに位置決めのピンが入る穴があり、クランクケースにピンが入り
シェルが空回りしないようになっています。
穴の横に変な打痕が......
また、クランクケース側のピン出かたが少ない.....
分かりますか?
位置がずれた状態でケースを閉めてしまったのです。
シェルにピンが当たり応力が掛かるわけですから真円で無くなり
ニードル、シャフトに大きな力が掛かるわけですね。
原因はエンジンを組む際の確認不足
ケースを合わせた時点で隙間があることに気づかず
また、ボルトを締めてシャフトを回せば重いことに気付くはずなのに
怠ってしまった。
おっつけ仕事の代償ですね。
金属粉の原因はここにあったのでしょう。
ミッションのトラブルは致命的です。
考えてごらんなさい
シリンダー、クランクのトラブルで焼きついてもとっさにクラッチを握れば惰性で走れる場合が多いですが
ミッションのトラブルはクラッチの後ろ側ですから対処が出来ません
高速走行中に後輪ロックしたらどうなるか?
一つ一つが大事な役目をしているのです。
カウンターシャフトネタをもう一丁!
エンジンを下ろす際に気になったFスプロケット内側に絡んだ紐
チェンジシャフト横に積もった粉砕した繊維の塊
前回の点検整備でオイルシールの周りからオイル漏れがあったので
コーキングしておいたのに無くなっている?オイルシールのゴムも擦れて地の金属が見えるし...
走行中に?紐を巻き込んでしまったのでしょう
さらにはチェーン交換でごついシールチェーンに替えたので
ケースと干渉して削れ、金属粉も多数
そんな金属粉が付着した紐が絡んで、オイルシールが接しているカラーに傷が入っています。(真ん中の白っぽい線)
今回はカウンターシャフト交換なのでここもセットで変わります。
そうそう、ベアリング交換でここのカラー外したら、シャフトのOリングは必ず交換しましょうね!カラーを抜く時にかなりの確率で傷を入れます。=オイル漏れの原因に