外教生活 in 中国山東省濰坊-淄博-泰安-済南 & 北京

~旧タイトル:日本語教師LIFE~

研修特訓中の卒業生

2012年03月10日 | 日記
3月10日(土) 晴れ

先週あたりから始まっている運動会に向けた学生たちの早朝練習、秋はリレーの為の練習が
あるのですが、春の運動会ともなると参加人数が増えるため、更に賑やかになります。
運動会に駆り出されるのは決まって1年生、昨年は日本語科でも参加者がいたのですが、今年は
1年生そのものがいないため、私の知っている参加者はゼロ、寂しさを感じています。

そんな中、別の学部の学生が「こんにちは」と挨拶してきたのですね。
朝から「こんにちは」とは日本語を覚えたての学生であることはすぐに分かったのですが、笑顔
で返しておきましたら、練習がないはずの今日グラウンドに現れて一緒に太極拳の練習を
しました。ひょっとしたら他学部で今学期から始まった英語に代わる外国語として日本語を履修
する制度に参加している学生かもしれません。
理由はどうであれ、そうやって少しでも興味を持ってくれることはありがたいことです。

さて、今日は卒業生の一人が遊びに来ました。
先日日本のホテルやレストランに研修派遣している学校で面接に合格した女の子です。
その学校は同じく維坊市内にあるのですが、研修生に対する規則が厳しく、平日は外出さえ
許されないのだそうです。
この学生は昨年12月の日本語能力試験で2級に合格したのですが、それでも現在の特訓は
厳しいようです。日本のホテルで働くための専門のテキストがあり、ホテルに関する用語から
旅行や緊急事態に関わる単語がズラリ。そして会話分は当然のことながら全て敬語。
今まで学校の教科書では見たことのない単語が並んでいるため、悲鳴を上げるのは無理もないし
この教科書を見ると、同じく面接に参加した2年生の男子学生が不合格になるのも頷けました。
ある程度私の話は聞ける子でないと、お客様との対話なんてできるはずもありませんからね。

この女の子が今学期に入って初めて連絡をくれた時、私の紹介を見送った後ろめたさからか少し
大人しげに話しかけてきたのですが、面接の激励をしているうちに明るくなってきたものです。
実際、彼女がその学校に入ったことは周から聞いたのですが、それで良かったと思ったのですね。
彼女のように人当たりが良く、笑顔が文字通りはじけているような子は接客に向いている。
私が担当との連絡でストレスを感じつつも別の会社を紹介していたのは大地震の影響も含め、この
学校の仕事の案件が減りいつまで経っても卒業生が出国できないという状況が続いたため。
あくまでも噂ですが、この学校に学生を紹介することで包先生が紹介料を受け取っているという
こともあり、あまり私がでしゃばったことをするのもあまり印象が良くないのですね。
この学校の状況が回復するのであれば、私としてもこちらを推薦したいくらいです。

ただ、問題があるとすれば、派遣先が結構いいホテルだそうで休みが一定ではなさそうであり
リゾート地などとなると会いに行くのは都心部などと違って苦労しそうかな、と。
更には現状の日本語科の学生で受け入れ先の施設が求める日本語レベルに達しているのは少ない。

私が紹介した会社はそもそも日本語を勉強したことさえない希望者が圧倒的なので、私と日本語
で会話が成立しないレベルの学生でもいきなりリーダーになってしまうのですね。
どちらがいいのか、という選択は学生がどのレベルで何を求めているのかによるのですが、私は
自分が認める学生でないと紹介する気はないし、もうあの会社に紹介することすら嫌になって
きましたので、レベル不足の学生は自己努力でこの学校に挑戦し、願いかなわなければ、勝手に
私が紹介した会社に連絡するという手段を取らせようかと。

そこまでして研修施設に入っても、入ったら入ったで今の温い学生生活とは比べ物にならない
ほどの厳しい生活が待っていますから、話を聞いて諦めることになると思いますね。

ちなみに彼女と同じ日に面接を受け翌日に私にメールをしてきた2年生の男子は既にその学校
にはいないそうなのですが、この学校に戻ってきても私の授業には参加しない、と彼女に話した
そうです。理由は私の話がさっぱり聞き取れないからなのですが、これではね・・・。
コメント
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