拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

cali≠gariを好きになり過ぎた模様

2009-10-04 20:12:12 | 音楽
最近cali≠gariの旧譜をせっせと買い集めている。6年ぶりの新作『10』と7年前に出た『第七実験室』で完璧にハマってしまい、週一でタワレコ行っては一枚ずつ旧譜を買う、みたいな日々である。今持ってるのは上記の二枚の他、『第二実験室改訂版』、『第六実験室』、『8』、ベスト盤『グット、バイ』、『カリガリの世界』。インディーズ時代に出た『再教育』『ブルーフィルム』とかも是非欲しいんだけど、プレミア付いてるようだし入手は厳しそうだなぁ。
それにしても。聴いてると本当にクラクラするぜ…音楽性の幅広さに。なんでもありにも程がある。武器持ちすぎでしょ。メタル上がりの確かなテクを見せ付けるベースとタイトなドラムの上で、変態的才覚を持つギタリストとボーカリストが好き勝手暴れてるバンド…という感じか?ロック、パンク、ノイズ、エレジー、フォーク、歌謡曲、ジャズ、テクノポップ、4つ打ちディスコにエレクトロニカなどなど、あらゆるジャンルに果敢に身を投じた結果、80年代アングラバンドみたいなよくわかんない、ジャンル分け無用の異形の音楽が大量生産された感じだ。…書いてて自分でもよくわかんないなぁ。私は聴いてて電気グルーヴの前身バンド「人生」や、ラルクのプロデューサー岡野ハジメが在籍してた80年代のバンド「PINK」を思い出したな。でも別に奇怪な曲ばかりじゃなくて、ストレートなビートパンクとか、胸を掻きむしるような切ないフォークソングもあったりして。
そんな雑多な曲たちを見事にまとめあげるボーカルがまた味わい深い…石井秀仁の声、低音は甘くて男らしくて高音は少年のように爽やか。さらに「これぞcali≠gari!」な、異形指数の高い曲では素敵な奇声を聴かせてくれる。誰もが一聴して「あぁ、ビジュアル系だねぇ」と思うような声だけど、私はこの手の声、絶対嫌いにはなれません。むしろ好みだ。
このバンドのソングライターは、ギターの桜井青とボーカル石井秀仁。二人とも全く個性の違う曲を量産していて面白すぎる。バンドの世界の核となっているのは、リーダーでもある桜井青の世界である。高校時代に『聖闘士星矢』のやおい小説を執筆し、萩尾望都や竹宮恵子、ペヨトル工房発行の雑誌を愛読し、ゲイであることを公言するなんとも強烈な人。ノスタルジックなメロディーと狂気が交錯するこの人が作った曲は拒絶か病み付きか、どちらかに人をスパっと分けるだろう。歌詞は異世界へ誘う過激なものから涙腺を刺激するものまでこれまた幅広い作風。対して、洋邦ニューウェーブオタクらしい石井秀仁(嬉々としながらaunt sallyというバンドの曲をラジオでかけてるのをニコ動で聞いた。怖いよ)の曲はダンスミュージック街道まっしぐら…でもないけど、捻くれまくりセンスが光る踊れるポップスが多い。あぁ素敵。しまいにはこの人のソロユニット「GOATBED」のCDまで買い漁ってしまいそうだぜっ。ちなみにこの石井さん、パフュームあーちゃんの妹とテクノユニットやってて、ロマンポルシェなんかとイベントで競演したりしてるようですね。そのユニットは、ライムスター宇多丸のアイドル時評「マブ論」でも論じられてたからボーンヤリと知ってたけど、まさかcali≠gariと宇多丸に間接的な繋がりがあったなんて思わなかった。宇多丸師匠も聴いたりするんでしょーか、cali≠gari。

以下、好きな曲を貼っておくのでぜひぜひ。他にも名曲迷曲奇曲あるけどよぉ。

●発狂チャンネル
イチオシ曲。職業柄、聴いてるとなんとも言えない気持ちに。今年出たベスト盤のブックレットでは「羊水が腐ってしまったのですよ」という歌詞の「羊水」が伏字に。ナイス判断。


●せんちめんたる
ベースかっこいいギターロック。たっぷり落とすBメロと二段構えのサビがたまらん。


●エロトピア
ねっとりしつこい魅惑の名曲。


●禁色
タンゴ。


●ブルーフィルム
反則級にグっとくるギターロック


●スクールゾーン
朝、全く元気の無い子どもを見かけるとこの曲を思い出す。


●-踏-
あー良いなぁ(笑)

 

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