拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

2280円

2007-08-30 19:20:21 | 音楽
宇多田ヒカルの「Beautiful World/Kiss&Cry」とL'Arc-en-Cielの「MY HEART DRAWS A DREAM」、二枚のシングルを同時に購入してきた。初めてだ、シングル二枚同時に定価で買うなんて。シングルまで買いたくなる、たった二組だけの大好きなミュージシャンが、よりによって同じ日に新曲出すからさぁ…どういう確率だよ。CD買ったら吟味するために一日中聴きまくるんだけど、今回それ、やり辛い。あぁ、今週は祭だ。金曜日、Mステでラルクと宇多田を同時に見れるという、私にとって激レアな事態が発生するのだ。なんかもう…今年は凄いなぁ。今まで大体ラルクと宇多田は上手い具合に交互に活動してたけど(本当に)、今年は同時に動き過ぎだ。嬉しい。
このブログでは大分前から散々「名曲だ」と煽ってきたこれらの新曲たち。今日は改めて収録曲の感想を書く。


■宇多田ヒカル

・「Beautiful World」
「エヴァのために書いたアニソンっぽい曲」と本人が明言しているが、本当にその通りである。覚えやすい強力なメロディーはアニソン風味。歌詞もエヴァを知る者ならピンと来るフレーズが多い。アレンジはあくまで歌を際立たせる為に存在していて、新たな音楽的挑戦は見られないが、数秒のイントロで曲の世界にフワっと連れて行ってくれるのはさすが宇多田。裏メロを奏でる悲しげなピアノも絶妙。

・「Kiss&Cry」
歌詞の「今日は日清CUP NOODLE」にばかり気をとられてはいけない。「世の中どんなに頑張っても、上手くいかない確率の方が高い。失敗上等。やる前からわざわざ失敗を恐れて尻込みしたって仕方ない。全力投球した結果の失敗なら、きっと次に繋がる」という、悲しくも超ポジティブなメッセージが込められている。曲名は、フィギュアスケート選手が演技を終え、支えてくれたコーチと共に点数が出るのを座りながら待つ場所に由来する。点数が良ければコーチとキスをして大喜び、悪ければ共に涙する、悲喜こもごもなあの場所を「Kiss&Cry」と呼ぶそうだ。「来年の誕生日までにこのままじゃ何にも変わらない」という歌詞が突き刺さるぜー。
全米デビュー時の名曲「Hotel Lobby」のメロディーに乗せ、ラッパー並の絶妙な脚韻を披露するBメロが絶品。曲中やたらとノイズが散りばめられた、マイケルジャクソンを彷彿させるなかなかファンキーなアレンジで、「Beautiful World」よりも凝った作り。良いヘッドフォンで聴いたら低音が「心にクリティカルヒット」して気持ち良いだろうなぁ…。

・「FLY ME TO THE MOON(IN OTHER WORDS) 2007mix」
アニメ版エヴァのエンディングテーマとしても採用された、1954年に発表のスタンダードな名曲のカバー。エヴァで流れていたのはサビ部分のみだが、勿論宇多田はフルでカバーしている。これは7年前のシングル「Wait&See~リスク~」のカップリングとして収録されたもののリミックス。ちなみに7年前のシングルには宇多田による歌詞の意訳が並記されていた。彼女の音作り・アレンジ面での師匠、河野圭がクレジットされていて懐かしい。リミックスなので歌声は当時のものだが……声、変わってねぇぞ、7年前と今。良く言えば当時から既に確立された歌声。悪く言えば7年間特に目立った成長無し。

・その他
宇多田はカメラマン&映像作家である夫と離婚後、以前まであんなにもこだわりまくってたPVなどのヴィジュアル面で脱力しすぎである。前作「Flavor of Life」のPVは、ただのレコーディング風景だった。今回は両方アニメで本人は登場せず。…あの、もっと気合い入れて良いPV生み出してくれよ。ジャケは良いけどね。世界を俯瞰したような歌詞を書く宇多田の作風そのものがジャケになってる。


■L'Arc-en-Ciel

・「MY HEART DRAWS A DREAM」
CMで聴いて衝撃、ラジオでフルで聴いて感動、ライブで生で聴いて…鳥肌。とにかく曲の構成が圧巻。作曲者kenの意地と美学が伝わってくる。広大な音域を誇る曲で、hydeの低音も高音も思う存分に楽しめ、随所に存在するyukihiroの小技、繊細すぎるkenのアルペジオ、うねりながらも揺らぐことなく土台を支えるtetsuのベースなど、聴き所満載。でもそれらを全く気にせずとも、ただ聴いてるだけで夢心地に浸れる。こういう魔法みたいな曲が街で流れてたら、どんなに素敵だろうねぇ…。ここまで高音ファルセットが繰り出される曲、最近流行ってないよな。「さあ手を伸ばし~」で始まるCメロから、ライブで皆で歌えるよう意図したような(こんな部分が出て来るの、ラルクじゃ相当珍しい)、「夢を描くよ」というコーラスに繋がる部分がこの曲のハイライト。泣きそうになるよ…。
Cメロの「心は誰も縛れはしない 視線は日差しを捉らえてる どんな褪めた世界でも」の部分が大好き。ラルヲタの間でも、前作「SEVENTH HEAVEN」とは比にならないぐらい盛り上がってるなぁ~。ライブ行った人は、その時の思い出とダブりまくってるみたいだね。わかるぜその気持ち。

・「Feeling Fine2007」
パートチェンジバンド、パンクアンシエルによるラルクのカバー。「ダッダッダダダ!」という、よくあるリズムをとことんフィーチャー。ギター・ベース・ドラムであのリズムを合奏(笑)。なんか…普通に居るよ、こういう曲やる若いバンド。自分からじゃ絶対に聴かないタイプのバンドだな(笑)。パートチェンジだから演奏はいつもながら荒っぽいのだが、今回は後半でhydeが、原曲でkenが弾いていたギターソロを完コピしている!死ぬ気でコピーしたそうだ。今年のパンクアンシエルはお笑い色が強いなぁ。

・その他
ジャケットがあまりにも可愛過ぎる。初めてだよ、ラルクのCDのジャケをまじまじと見つめるの。ライオンのたてがみの部分に沢山の花が咲いており、本来ライオンの獲物であるはずのうさぎと鳥が、怖がることなく花に紛れ込んでいる…いろいろ深読み出来そうな、素敵なジャケだ。


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