拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

「夜を駆けていく 今は撃たないで」

2006-06-25 21:39:25 | 日記
最近夜八時頃になると夜風にあたりたくなってくる。家でじーっとしているのがなんだか嫌になってくるのだ。湿っぽいのに爽やかな風にスーっと吹かれながら自転車で目的も決めずフラフラと外出してしまう。毎年この時期から秋頃までそんな気分になる。ipodを連れ出して夜の町を自転車でウロウロしていると、日々を悩ます煩わしき事をその瞬間だけ忘れさせてくれる。ライトな現実逃避といったところだ。大好きな音楽の物凄く大好きな部分を聴いている瞬間はたまにトリップしてしまいそうにもなる。今日はhideの「MISERY」という曲の「夜の闇に落ちてゆけば忘れてしまうことなのかも 揺れる思い つかのまの夢 小さな悲劇」という部分を聴きながら泣きそうなぐらい気分が良くなってしまった。キーの上がり方が絶妙なのだ。ヒー。
で、その「MISERY」を聴いて気分がとても高揚してきた私は家に帰りたくなくなってしまい、わざわざ国道一号線の方まで出て、割と危なめな繁華街にまで行った。私は名古屋市の中で比較的治安の良くない地区に住んでいるのだが(わかる人にはわかるだろう)、一号線周辺は特に危ない。でも一号線沿いの歩道はとても広くてダラダラ走るのにもってこいだし、夜でも交通量が多いので賑やかで明るいためたま~にフラっと行きたくなってしまうのだ。賑やかな店が立ち並ぶ国道沿いを夜に自転車でタラタラ走ってると、小学校時代にが真夜中に学校に忍び込んだのに似たワクワク感を呼び起こす。危険と隣り合わせな所がとてもよく似てるのだ。ああノスタルジー。
一号線沿いの歩道から見える光景。それはさしずめ「夜回り先生が見る風景」と言ったところだろうか。コンビニやゲーセンやファミレスの前には、明らかに関わると面倒くさいことになる人々がダラーっとまどろんでいる。「将来教員になったらこういう人々の中に入り込んで説教しなきゃなんないんだな…」と思うと背筋がピンと伸びる。でもすぐ緩む。とにかく好きなのだ、夜の一号線沿いを駆けるのが。スピッツの「夜を駆ける」という曲がこんなシチュエーションにバシっとハマる。今日はhideナイトだったから聴かなかったけど。「LEATHER FACE」を口ずさみながらチャリで走って行く私はとても奇異な存在だっただろう。将来どこかに引っ越すとしたら、できれば国道一号線が近くにある街に行きたいものだ。そしたらもれなく危ない街になってしまうかもしんないけどね。
危ない繁華街とは逆に、静かな住宅街を通るのは結構スリルがある。夜は本当に静かで人影も無いのだ。何かあってもおそらく助けてもらえないような冷たい空気を感じる。たまに見知らぬ家庭から子供の泣き声が聞こえてくるとドキっとしてしまう。で、「何かあってからじゃ遅いよな…」と思い、様子を軽くうかがうためにその家の前を次回の夜の自転車コースに入れるというおせっかいな行動をとってしまう。
……やっぱ最近変だわ、私。

※画像はスピッツ「夜を駆ける」収録のアルバム『三日月ロック』のジャケです。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
徘徊? (たかまさ)
2006-06-25 23:44:11
きっと君はすーっという感じで、音も無く、夜を通り抜けていくのでしょうね。やや神秘的ですな。ボクも夜になると、季節を問わず、音楽を聴きながら、何の目的も無く徘徊に出ますよ。良いですよね。

今日、タワーレコードに行ったら、hideの箱(詳細はわかりません)が売っていましたよ。
返信する
俳諧徘徊 (shallow)
2006-06-26 19:27:18
ふと思ったのですが、端から見たら同じ「徘徊」をしているようでも、聴いてる音楽は全く違う種類のもの。よって抱いている思いも全く違うんだよなぁ…と考えるとちょっと面白い。

hideの箱は多分今までのシングルのボックスセットかな。
返信する

コメントを投稿