つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

大じゃなくて超だよな

2007-10-18 21:10:25 | おしゃべり
さて、第912回であります。


鈴:やっとスーツの上着を着ててもOKな季節だなと安心してるLINNで~す。

扇:昼間はまだ暑かったりするぜと突っ込んでみるSENでーす。

鈴:昼はあったかいなぁ。
ただなぁ……風通しのいい廊下と執務室の気温差がけっこうあるからやはり上着は着たまんまだな。
いちいち出るたんびに脱いだり着たりはできんしな。

扇:夜勤明けの朝方とかは、さすがに肌寒くはなったがね。
しかし、夏中背広で歩き回ってた人って……偉大だよなぁ。

鈴:あぁ、確かに。特に営業のひとは暑さに弱いときついよな。
いくら社用車の中でだらけようと、サボって喫茶店にいようと、客の前ではピシッとしとらんと印象悪いからなぁ。

扇:それ、思いっきり皮肉ぢゃないか?

鈴:!Σ( ̄□ ̄;)
いや、いーんだよ、営業さんは。
あのひとたちの苦労は、いちおう仕事柄、営業のひとと接する機会が多かったからよくわかるし。
……と言いつつ、営業絡みはしたことがないのよね~。接客ならバイトでいくらでもやったんだが。

扇:俺も営業はやったことないな。
つか、接客は接客でも、向こうが買いに来るんじゃなくて、こっちが売りに行くってのは……大変だわな。
正直、車の営業とかって凄いと思ふ。

鈴:あー、ディーラーじゃなくて社用車とか売りに行くほうね。
車は耐用年数長いからきついわなぁ。
でも我が社は基本、MAZDAオンリーだから営業も楽……なわけないか。
たぶん、いろいろ言われてんだろうなぁ……。

扇:どうもノリがイマイチなので、葬送にWikiに行くべし。

鈴:いったい何を送るつもりだ?
……ともあれ、確かにWikiに行くいい頃合いだな。


『Wikipediaに聞け!』


鈴:と言うわけで、今週のWikiは「諸星大事件」であります。
どっかの虎縞ビキニの相方(?)が起こす事件を綴ったものであります。

扇:……古っ。

鈴:古いって言うなっ!!!
まぁ、否定はせんが、いまだに根強い人気のある話だとは思うんだがなぁ。
とは言え、今回のネタのほうがもっと古くて、長いことやったみたいだけど。

扇:人気はあったんだろうが……山も谷もオチもない作品だったな、あれ。
で、今回のネタですが、『物干し大事典』です。
ダイヤモンド製のものから、巨人が使ったとされる巨大なものまで、世界のありとあらゆる物干し竿を集めた――。

鈴:そんな辞書に「大」がつくかっ!!
つーか、そもそもダイヤモンドの物干しなんて誰が使うんだ? ってツッコミは確実に来るぞ(笑)
しかも巨人の物干しって……まぁ、巨人かどうかは忘れたが、どっかに物干し竿って言う長いバット使ってた野球選手はいたみたいだが。

扇:誰が使うんだって? 成金に決まってるだろう。
野球選手は知らんが、戦国剣士なら知ってるぞ。
確か顔がTOKIOの誰かに似てる奴。

鈴:へ~、歩兵が裏返るとそういう武器が使えるようにクラスチェンジするんだな(爆)
しかし、剣士ならって有名すぎや、それは。
ともかく、なんかWikiから離れすぎてる感じがするから、ええ加減、本題に入ろう。
と言うわけで、今回のWikiは大修館書店刊「大漢和辞典」であります。

そして見出しは、
「誰が使うんだ!? ――全15巻親文字5万あまり」
「依頼から75年――長すぎ」
「通称諸橋大漢和――諸橋博士、書いてないってよ」
の3つでお送りします。

扇:通称、「諸橋大漢和」ですね。
何か……専門的すぎて、食いつく人が少なそうなお題だな。(毒)

鈴:まぁ、そこは国文出身の性と言うことで。
ともあれ、お題に沿って行きたいと思います。
まず最初。
全15巻……大学のとき、言語学の講師の部屋に並んでいたことを憶えてるな。

扇:ああ、A木ちゃんか。
いい人なんだけど、真面目すぎて損するタイプの人だったなァ。
あと、やっぱ言語学って……面倒臭がりの生徒には敬遠されるよね。(※私含む)

鈴:まぁなぁ。でも、もし後輩からどの先生が楽? って聞かれたら、一発でA木ちゃんって言うな(笑)
真面目で優しいから、頼まれもしないのに、卒論の資料とか、集めてくれてたらしいし。
……って、ぜんぜんWikiとは関係ねぇし(爆)

扇:じゃ、話をWikiに戻して。
この手の辞典とか資料って凝り出すと際限がないんだけど、それをそのまんまやっちゃったのがこれだよね。
漢字について調べられるだけ調べる!
その結果が、『親文字5万余字、熟語53万余語を収録した世界最大の漢和辞典』って……をい。(笑)

鈴:まぁなぁ。
この数は確かに異常なんだが……そもそも、このおかげで中国政府から500セットの注文があった、ってくらいだから、いかに凝り性の賜物かってのがわかるわなぁ。

扇:日本人って、こういうの好きだよなぁ。
つか、昔っからコレクター気質なんだよねぇ。
正倉院とか、そのまんまだし。

鈴:そうね。
そういう意味では、本家中国でこういうのが出来なくて、日本で出来たってのは、そういう国民性の違いもあるんかもしれんなぁ。
では、次。依頼から完成まで75年。
まー、当然諸橋博士、お亡くなりになってるわなぁ。

扇:でも、ちゃんと完成したんだからいいじゃん。
某教会なんて、百二十年経ってもまだ未完成だぞ。

鈴:某教会……まぁ、いちおう、人海戦術でどうにかなる辞書と建築とは一緒にできんだろう。
だいたい、75年もかけて作ろう、っていまじゃ、経営の関係上、やろうってとこはないだろ。
金ばっかりかかるクセに、辞書なんかそうそう利益が上がるような代物じゃないしな。

扇:全十五巻セットで二十五万円……確かに、苦労に見合った値段ではないわな。
個人で所有するには重すぎるから、図書館に一セット置くぐらいだろうし、儲からないよね。
しかし、間に戦争挟んでるのに、よく会社保ったなぁ……。

鈴:確かに、年数かかってる割に値段は良心的な感じだな。
だが、戦争を挟むって言うのは……Wikiじゃなくて、リンクにある「大漢和辞典記念室」かな。
ここに書いてあるけど、著者の諸橋博士とは別に、この大修館書店の社長の気概がでかかったみたいだな。

扇:そりゃ、でかいだろうよ。
普通なら、費用対効果考えて即撤退するぞ。
ま、信念貫いたおかげで、会社の顔になる本が完成し、知名度も上がったみたいだけど。

鈴:そうねぇ。まぁ、長男次男三男引っ張り込んで作ったんだから、そりゃでかかろうて。
さて、じゃぁ、最後のネタだな。
……これはおそらく、知ったひとならば誰も突っ込むだろう。
編じゃなくて著かよ、それで!

扇:まー実際、一人で書ける分量ぢゃねーわな。
しかし、作業に参加出来ないのはまだしも、校正刷りすら見てないってのはどうかと。
でも通称は『諸橋大漢和』で、当人、文化勲章もらってたりするんだよなぁ。

鈴:そういやもらってたなぁ。
なんか、「著」じゃなくて「編」でもらったら納得できるんだが、「著」のまんまだしなぁ。
なんか、それってどうよ!? って気はせんでもないな。
まぁ、確かにプロモーターやってたんだから、功績がないかと言われれば、そういうことはないんだろうが。

扇:漢字にこだわるなら、『著』は『編』に直すべきだな。
もっとも、既に名前が定着しちゃってるから、著でも編でも変わりはないのかも知れんがね。
何か……オチがないな。

鈴:そういえば、オチがないね。
……!Σ( ̄□ ̄;)
もしかして、「著」じゃなくて「編」だろ!? って言うのがオチだったのか!?

扇:そういう噂もあるな。
たまにはオチがなくてもいいとして、次のコーナーに移るとしよう。

鈴:そうね、たまにはそういうのがあってもいいわね(^_^;


『今週の一冊』


鈴:では、今週の一冊は久々の登場であります。

扇:三ノ宮蛍の『初夜』ですね。

鈴:そこに至る経過を一気にすっ飛ばすな!!
ほれ、もっと前にやることがあるだろ。

扇:ちょっと気が早すぎたか……。
というわけで、四ノ宮陽の『結納』ですね

鈴:まだ戻りきれとらんわぁっ!!
……ったく、これ以上続けるとあと何回やらんとタイトルまで辿り着くかわからんので、本題です。
と言うわけで、今週の一冊は「初恋」(著者:二宮ひかる)であります。

扇:振り子細工の心ってやつだな……って、誰の歌だったっけ……?
ともあれ、青年恋愛漫画家の中では珍しくSEN-LINN揃ってオススメの二宮ひかる、の短編集です。
『ひまわり』、『初恋(前後)』、『性夢十夜』、『エンゲージ(1~5)』の四編を収録。

鈴:振り子細工……(検索中、検索中)……蒸らした構造村下孝蔵ってのらしいな。知らん……。
あ、そういえばそうだな。お互いでオススメ、しかも青年マンガだしなぁ。
しかし、目録を見たが、この短編集はやってなかったのな。
じゃぁ、最初の「ひまわり」からあっさりもっさりやるかね。

扇:蒸すなよ……一応、有名な人なんだからさ。
では、一編ずつ紹介を。ちなみに本書は、二宮にしては珍しく、全編高校生の恋愛物だったりします。
一組を除いて全員、やることはきっちりやるけどね。(笑)

で、『ひまわり』ですが……本書で唯一まともな高校生恋愛物です。
人物配置も、主人公の二宮少年A、少年Aの友人の少女B、少年Aが憧れている美人の少女C、と実にスタンタード。
少年Aと少女Bはなし崩し的にアレするわけですが、彼女のカラダにはある秘密があって……という、ヒネリが加えられてます。

鈴:そういや、そうだなぁ。
主人公は全員高校生だもんなぁ。たいてい20代の社会人とかが主人公だし。
しかし、少年Aとか、少女Bとか言うなよ。
なんか、やう゛ぁいことやったヤツらみたいじゃないか。

さて、では次の表題作の「初恋」。長さはあとの「エンゲージ」のほうが長いけど。
ストーリーは、夏休みにコンビニのバイトをし始めた高校生A……もとい今野くんが、コンビニの前で待ちぼうけを食っていた年上の女性と懇ろになる話です。
ちなみに、主人公格は基本、高校生ですが、この話だけ、相手になる女性の大沢さんだけ26歳(独身で天然)

扇:26歳だけど、見た目は高校三年の先輩ぐらいで通ります。
まー、二宮漫画の女性って、15歳~29歳まで区別がつかなかったりするけどね。

で、三つ目の『性夢十夜』。
主人公の女の子が見る夢を、次々と紹介していくショートショート連作。
先へ進む毎に、夢の中のお相手がヤヴァイことになっていくのですが、最後は何と――。
こういう変わった趣向の話って、私は好きです。

鈴:ラストのはなかなかいいセリフだよなぁ、この話。

では、最後の「エンゲージ」ですが、二組の兄弟(姉と弟、兄と妹)の禁断の愛(爆笑)を描いたお話です。
基本、兄弟中心の話ですが、姉と兄の絡みもあります。
なお、ストーリー云々より、兄・妹側がきっちりと結ばれたことを知ったときの姉のセリフ「ずるい!」だけはかなり好きです(笑)

扇:どっちかと言えばその直後の、「私の今までの禁欲生活は何だったの?」の方が好きかな。
何にせよ、この姉の性格はぶっ飛んでいた……いいキャラだがね。

で、全四編紹介し終わったわけだけど、好きなのはどれかね?
実を言うと、どれも結構出来が良くてお気に入りだったりするんだが。

鈴:う~む、そのセリフも捨てがたいのだがな。
まぁ、確かにいい性格してる、いいキャラだから、この手の決め台詞(?)はおもしろいんだよな。

お気に入り……キャラ的にはやはり「エンゲージ」の姉のキャラがいいからおもしろいんだが、スタンダードで読みやすいと言えば「ひまわり」……う~む、どちらかと言えばラストで選んで「ひまわり」にしておこう。

扇:俺と真逆だな。
キャラでいくなら、『性夢十夜』の女の子は節操なさ過ぎて素敵なんだが、ラストで選ぶなら『初恋』だな。
あのまま、会いに行けない……だけで終わってたら、「うっわ~、この男の子サイッテ~~~~~」で済んでしまうのだけど、ラストの彼女の台詞が良すぎるので、作品としては綺麗にまとまっている。

鈴:どちらも嫌いではないんだがなぁ。
言ったとおり、どの話もよいのはよい。やはり、このひとはこの手の短編のほうが好きやなぁ。
しかし、なんか、この真逆ってのはなんか前にもあったような気がすんな……。

扇:短編集って、大抵一個か二個はハズレがあるもんだが、これはどれも良かったね。
真逆は……クロスレビューだとしょっちゅうだな。
どノーマルな私と、少女趣味の君じゃ、意見が食い違うのも当然だろう。

鈴:まぁ、確かに、アブノーマルな相棒と女性作家好きの私とでは好みが異なるのも当然か。

扇:てめぇ今すぐ、『はいからさんが通る』歌うぞっ!

鈴:なにおぅっ!? ならばこっちは「ペガサス幻想」歌うぞっっ!!


to be continued……



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