さて、次もいいかなではなくいこうと言えるのがうれしい第178回は、
タイトル:西の魔女が死んだ
著者:梨木香歩
出版社:新潮文庫
であります。
初っぱなからこういうのも何だと思いつつも、まず、文章のこと。
基本形は一人称なんだけど、この一人称、つまりそのキャラの視点で語られる形を取る、と言うことは、そのキャラの言語能力に左右されるはず、と言う思いがある。
なので、中学生に成り立ての主人公まいの一人称でありながら、その言い回しや単語はどうよ? ってくらいなところが、かなり気になった。
途中から、形式は一人称だけど、文章の書き方は三人称っぽくなって、文章的なところはさして気にならなくなってきたのでOK。
それと、区切りの最後に出てくる、「このあと、○○を知るのだった」とか、そういう下り。
よく使われるものだけど、これが個人的に好きじゃないので、ここが「うーむ……」と眉間に皺が寄る。
……と、ひとしきり個人的に欠点だと思うところを上げつらねてひとつ。
次を買ってもいい、じゃなくて「買おう」と思った作品はホントに久しぶりだ。
主人公まいは感受性が強く登校拒否になってしまい、大好きな「おばあちゃん」のもとで暮らすことになる。
そこで、外国人のおばあちゃん(実の祖母)が魔女であることを知り、おばあちゃんの教えのもと、魔女になるための訓練を積むことになる。
そんな「魔女になるための修行」みたいな中での日常の、まいの生活、心の動き、おばあちゃんとのやりとりなどなどが、とてもやさしく、穏やかな筆致で描かれている。
また、おばあちゃんの家の近くに住むゲンジさんに対する嫌悪感や自分の居場所に対する幼い愛情、おばあちゃんへの気持ち、思い、そしておばあちゃんのまいへの愛情などなど、生き生きと描かれている。
そしてラスト。
おばあちゃんとの約束。
それが果たされた瞬間。
そして、いつもの「おばあちゃん大好き」に応じる「アイ・ノウ(I Know)」
あぁ、うまいわ……。
このラストの雰囲気は読んでみてもらいたい。
そしてもうひとつ。
本編である「西の魔女が死んだ」のあとに、まいのその後を描いた「渡りの一日」という短編。
ここ最近、最高の短編と言っていいかもしれないくらい、いい。
学校へ戻ったまいと、そこで出来た友人のショウコとのふたりの一日を描いた小品。
いちばん印象に残ったのはキャラクター。
まいは「西の魔女が死んだ」から出てきているのでいいとしても、ほとんど名前しか出てこなかったと言っていいくらいのショウコ、クラスメイトの少年、少年の兄、少年の兄の恋人などなど……。
短編だから、登場する期間は短いのに、話の中での役割はもとより、キャラの性格、行動など、作品世界に自然に溶け込んでいて、日常すら感じられるほどうまく描けている。
また、クラスメイトとその兄のやりとりのおもしろさや、結局まいの予定通りになったこと、閉館間際の画廊で見た絵で涙を流すまいの姿、ショウコとのやりとりなどなど。
最初から最後まで、作品の世界にどっぷりと浸かって、その世界の空気のような感じで、それぞれの人間模様、結果的に予定通りになる不思議さ、そこに感じるまいやショウコのキャラクター……。
あー、何を言っても意味がない。
とにかくよすぎてこの感覚を説明するのは難しい。
くろにゃんこさんが経営するくろにゃんこの読書日記や、まんださんのまんだの読書日記に紹介されていた梨木さんですが、かなーり、ヒットであります。
本屋で、なんか読者とかが選んだ本の1位とかなんとか書いてあったけど、んなもんはどうでもいい。
いいものはいいっ!
短編がよかったので、次は「家守奇譚」でも買おうかと思っていたり、する。
タイトル:西の魔女が死んだ
著者:梨木香歩
出版社:新潮文庫
であります。
初っぱなからこういうのも何だと思いつつも、まず、文章のこと。
基本形は一人称なんだけど、この一人称、つまりそのキャラの視点で語られる形を取る、と言うことは、そのキャラの言語能力に左右されるはず、と言う思いがある。
なので、中学生に成り立ての主人公まいの一人称でありながら、その言い回しや単語はどうよ? ってくらいなところが、かなり気になった。
途中から、形式は一人称だけど、文章の書き方は三人称っぽくなって、文章的なところはさして気にならなくなってきたのでOK。
それと、区切りの最後に出てくる、「このあと、○○を知るのだった」とか、そういう下り。
よく使われるものだけど、これが個人的に好きじゃないので、ここが「うーむ……」と眉間に皺が寄る。
……と、ひとしきり個人的に欠点だと思うところを上げつらねてひとつ。
次を買ってもいい、じゃなくて「買おう」と思った作品はホントに久しぶりだ。
主人公まいは感受性が強く登校拒否になってしまい、大好きな「おばあちゃん」のもとで暮らすことになる。
そこで、外国人のおばあちゃん(実の祖母)が魔女であることを知り、おばあちゃんの教えのもと、魔女になるための訓練を積むことになる。
そんな「魔女になるための修行」みたいな中での日常の、まいの生活、心の動き、おばあちゃんとのやりとりなどなどが、とてもやさしく、穏やかな筆致で描かれている。
また、おばあちゃんの家の近くに住むゲンジさんに対する嫌悪感や自分の居場所に対する幼い愛情、おばあちゃんへの気持ち、思い、そしておばあちゃんのまいへの愛情などなど、生き生きと描かれている。
そしてラスト。
おばあちゃんとの約束。
それが果たされた瞬間。
そして、いつもの「おばあちゃん大好き」に応じる「アイ・ノウ(I Know)」
あぁ、うまいわ……。
このラストの雰囲気は読んでみてもらいたい。
そしてもうひとつ。
本編である「西の魔女が死んだ」のあとに、まいのその後を描いた「渡りの一日」という短編。
ここ最近、最高の短編と言っていいかもしれないくらい、いい。
学校へ戻ったまいと、そこで出来た友人のショウコとのふたりの一日を描いた小品。
いちばん印象に残ったのはキャラクター。
まいは「西の魔女が死んだ」から出てきているのでいいとしても、ほとんど名前しか出てこなかったと言っていいくらいのショウコ、クラスメイトの少年、少年の兄、少年の兄の恋人などなど……。
短編だから、登場する期間は短いのに、話の中での役割はもとより、キャラの性格、行動など、作品世界に自然に溶け込んでいて、日常すら感じられるほどうまく描けている。
また、クラスメイトとその兄のやりとりのおもしろさや、結局まいの予定通りになったこと、閉館間際の画廊で見た絵で涙を流すまいの姿、ショウコとのやりとりなどなど。
最初から最後まで、作品の世界にどっぷりと浸かって、その世界の空気のような感じで、それぞれの人間模様、結果的に予定通りになる不思議さ、そこに感じるまいやショウコのキャラクター……。
あー、何を言っても意味がない。
とにかくよすぎてこの感覚を説明するのは難しい。
くろにゃんこさんが経営するくろにゃんこの読書日記や、まんださんのまんだの読書日記に紹介されていた梨木さんですが、かなーり、ヒットであります。
本屋で、なんか読者とかが選んだ本の1位とかなんとか書いてあったけど、んなもんはどうでもいい。
いいものはいいっ!
短編がよかったので、次は「家守奇譚」でも買おうかと思っていたり、する。
うーん、そんなにいいのか、読みたいなあ。
梨木さんの本を読んでいる人の多くは、「西の魔女」が好きみたいなんだよね。
私は、今のところ「裏庭」なんだけど、まだ未読本もあるからね。
よし、次は「からくりからくさ」にいってみよー!
すごいよかったですよ~。
でも、西の魔女しか読んでないのでまだまだです。
他にもいろいろ読んでみますし、短編がよかったぶんだけ、家守奇譚が気になるので、次はこれかもしれません。
また読了したら上げときますよ(^^
「西の魔女」だけだと思っていたら、もう1篇入っているんですね。次はコレを読もうと思っていたところだったので、LINN さんの大絶賛を聞いてますます楽しみになりました!
「家守奇譚」はまだ文庫になっていないようなので、「裏庭」のほうが先かなぁ。
もうひとつ入ってます(^^
読んだ直後の感想にかなり近いですが、ホントによかったです。
感覚派の物書き的にはかなりお気に入りです(^^