つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

手品と言うよりは豆知識

2006-07-04 23:35:30 | 学術書/新書
さて、子供に受けるかどうかは保証の限りではない第581回は、

タイトル:子どもにウケる科学手品77
著者:後藤道夫
文庫名:ブルーバックス

であります。

中学の時は読み漁ってたのに、最近はとんと御無沙汰だったブルーバックス。
なぜブックではなく、バックなのかは今でも不明です……。

タイトルからも解るように、本書の主旨は科学で子供とコミュニケーションすること。
文中に「パパが~」とか「ママに~」といった単語が頻出するだけでかなり引き気味なのですが、それ以上に、章ごとに掲げられているキャッチコピーが凄まじい。

・第一章『ファミリーレストランで科学手品』……「(略)料理を食べたあとのひととき、なにげなくパパの威厳を発揮できたなら、最高です」
・第三章『お風呂で科学手品』……「(略)ここで『パパ』を上げておけば、『パパと一緒にお風呂入るの、もうイヤ』なんて宣言されるその日を一日でも先延ばしできるかもしれません」
・第五章『パパは超能力者』……「(略)子どもが指定する通りの現象を起こしてしまいます。今後、パパは『超能力者』として子どもからあがめられることになるでしょう

電波を通り越して、邪神が宿っているような凄い自信ですね。(毒)
実際にファミリーレストランでやって失敗したら間違いなく怒られる第一章、披露した次の日からパパは不要になると思われる第三章も素敵ですが、極めつけはやはり第五章。これで超能力者としてあがめられたら、逆に子供の将来が心配だ。

内容的には、みんなが知ってる科学マジック総まとめといった感じ。
座った子供を指一本で立たせない方法とか、食塩水を使って卵を中途半端に浮かすとか、米を詰めた瓶に割り箸突っ込んで持ち上げるとか、懐かしいやつが満載。
思わず、このレベルでいいなら俺でも知ってるぞ、風呂場の水をホースで吸い出すとかな!(それは生活の知恵) とツッコミを入れてみる。

で、先を読んでみると、それも紹介されてました、あなどれん。(笑)
しかし、ホースの空気を口で吸い出す方法ってどうよ。
水の中でホースの空気を抜いて、片方の端を指で塞げば済むことなんだが……。

77個も紹介されてるだけあって、知らないのもいくつかありました。
でもインパクトとなると……放電現象ぐらいかなぁ。多少ショックを受けるってことで、白い目で見られなければの話だけど。
黒いゴミ袋を使った熱気球なんかは、小学校の校庭なんかで生徒相手にやると受けるかも。後で校長に怒られる覚悟があるなら、屋上でも可。

ある意味一番インパクトがあったのは、落下する一万円札をつかませない手品(?)かな。
クラブでホステス相手にやる遊びを子供相手にしますかパパ
人の反応時間は平均0.2秒で、その間に下方に20センチ落下するからうんぬん、と科学的説明をされても、これを手品と呼んでくれる子供はいないと思われます。

『ガキどもにウケる』かは別として、昔を懐かしむには悪くないかも知れません。
「科学手品って楽しいなぁ」とか呟きながら、くすっと笑う邪道な読み方もアリ。
820円も出す価値があるかと言われると甚だ疑問ですが。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
単純に (にゅきみ)
2006-07-05 12:24:26
背表紙が青いからだと思ってました…>ブルーバックス
ジーザスッ (SEN)
2006-07-06 01:57:34
言われてみると……。

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