つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

さらに企画は続く。

2005-03-09 08:26:28 | ファンタジー(異世界)
さて、こちらは分ける必要はなかったかも知れない第99回は、

タイトル:風の海 迷宮の岸(上) 十二国記
著者:小野不由美
出版社:講談社X文庫ホワイトハート

であります。

主人公こそ陽子ではありませんが、『月の影 影の海』の続編です。
ただし、時代的には陽子が来る以前。
舞台も世界の中心にある蓬山です。(ちなみに陽子が王になる慶は東のはじっこ)

本作の主人公は、泰麒(たいき)と呼ばれる十歳の少年。
前作の景麒と同じく麒麟であり、戴という国の王を選ぶ役目を与えられています。
問題は、彼も陽子と同じように日本で育ったということ。
麒麟の姿になることはおろか、この世界のことを何も知りません。

泰麒を守るために生まれてきた女怪の汕子。
世話を焼いてくれる女仙達。中でも一番親身になってくれる禎衛と蓉可。
友情出演(笑)したにも関わらず、どこまでもそっけない景麒。
まだ幼い泰麒は皆の期待に応えられず、そんな自分を恥じるばかり。

さて、泰麒は本当に王を選ぶことができるのか?
そういったマクロな話は下巻で書かれています。

ちなみにこの泰麒、とにかくよく泣きます。
よく解らないまま、できそこないの麒麟なのだと自分を責めます。
母性本能にダイレクトに来るのでしょう、女性に異常なまでに人気があります。

最後に恒例のデカ文字一言を。
下巻はともかく、上巻はこれが妥当でしょう。

泰麒は可愛い

では、また次回



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