つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

こういうのも読んだりして

2005-06-19 15:01:48 | その他
さて、ファンタジーのカテゴリーがまったく増えてないと思うの第201回は、

タイトル:性と呪殺の密教 ~怪僧ドルジェタクの闇と光
著者:正木晃
出版社:講談社選書メチエ

であります。

密教、と言うことで仏教……宗教の本であります。
とは言っても、副題が示すとおり、仏教は仏教でも日本の仏教者の名前ではないから、別のところのだけど、これはチベット仏教を題材にしたもの。

もともと、こういうアジアの宗教や神話など、東洋文化に興味があったし、チベット仏教はドキュメンタリーとか、テレビでちょろっと知ってるくらいなので手に取ってみた。

さて、内容は12世紀前後に実在したドルジェタクという人物を中心に、チベット仏教を概括したもの。

仏教というと昔から日本には馴染み深い宗教だし、密教と言うと弘法大師空海の真言宗、伝教大師最澄の天台宗がある。

でも、チベット仏教は日本で一般的な仏教とはやはり違う。
もちろんお国柄ってのもあるんだろうけど。

まずタイトルのとおり、キーワードは「性」と「呪殺」
仏教では不犯、不殺と言う戒律があるにもかかわらず、これ。

しかし、当時の政治状況や宗教の状況などから、なぜそういうのが必要であったのかをしっかりと解説してくれている。

宗教の本ではあるけれど、印象としては人物伝、それとチベット仏教の歴史を解説しているような感じで、比較的読みやすい本だと思う。

ただ、やはり宗教の本だけあって、仏教関係の専門用語とか、経典の説明や解釈があったりするので、ここが専門家でもないし、そこまで勉強しているわけではないので、文意を掴みきれないところがあった。

もっとも、こんな本を手に取ろうと思うひとが、これくらいのことを気にしてもしょうがないのかもしれないけど~(笑)


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