さて、これくらいのときには記念しておこうの第200回は、
タイトル:マジョモリ
著者:(作)梨木香歩 (絵)早川司寿乃
出版社:理論社
であります。
このところ、かなりお気に入りの梨木さんの本であります。
作と絵、と言うことでこれはふつうの単行本ではなく、『絵本』
気に入ったらとことん集めてしまうタイプだけど、とうとう絵本にまで手を出してしまった(笑)
さておき、ストーリーは主人公であるつばきが、ある朝、「まじょもりへ ごしょうたい」という手紙を受け取ったところから始まる。
家から道路ひとつ挟んだ先にある深い森。
大人たちは「御陵」と呼ぶそこは、子供たちにとっては「まじょもり」
入ってはいけないと言われているそこへ、けれど「ごしょうたい」を受けたつばきは、「空いろのつる」を道案内に、奥へ奥へと入っていく。
そこでひとりのハナさんと言う女性と出会い、またあとからやってきたふたばちゃんと一緒に、御神饌に生クリームやジャム、ピーナッツバターなどを塗ったお菓子を食べながら、たった3人の小さなお茶会を楽しむ。
とても短い話で、文章だけ読んでいれば30分はいらない。
じっくりと、文章から得られる出来事を、イラストを見ながら想像力を膨らませて、ゆっくりと楽しんでも1時間はかからない分量だと思う。
けれど、1回読んで、今度はイラストだけにして、またじっくりと……と短いぶんだけ、気軽に読める。
まぁ、実際に1回は文章中心にして、2回目はイラスト中心に読んでみたし。
文章中心だと見落としてる小さなところに気付くと、またそれがうまい具合に話の中で出てきた小さな言葉とかに対応していておもしろい。
イラストも話にとても合った感じで、特に空白の使い方がうまいと思った。
また、構成もおもしろい。
最初のページの日本家屋のようなイラストや、その次の近代的なシステムキッチン、そのあとのつばきの部屋と言った具合に配置されているけれど、これが読んでいくと、納得。
最後のほうもイラストだけにして、ゆったりとした間を作ったりと、ストーリーをうまく補完している。
しかし、こう何冊か梨木さんの本を読んだけど、この短編もオチがとてもいい。
つばきの家が神社であるとか、おかあさんの名前がふたばであるとか、話が終わったあとの神社の御祭神の縁起とか、そういうのがきっちりと、ラストに修練されていて、まったく不自然さがない。
で、またさらに、ほんとうに最後の最後の最後にやられた。
神社の縁起のところがあって、次のページが、著者ふたりの紹介文になっている。
ふつうなら、ここであとはなんか第何版とかが書いてあるのが文庫とかはふつう。
まぁ、これは著者紹介と、第1刷とかのは一緒になってたけど。
なので、最初は見なかった。
2回目に見たときに、著者紹介のところまで来て、本を閉じようとしたときに、ふとイラストが見えた。
まじょもりと現実世界を分ける木の柵の向こう側に、生クリームをたっぷり使ったようなケーキとフォーク、それから折りたたまれた手紙が1通。
くそぅっ、うまいぜっ!
脱帽であります。
タイトル:マジョモリ
著者:(作)梨木香歩 (絵)早川司寿乃
出版社:理論社
であります。
このところ、かなりお気に入りの梨木さんの本であります。
作と絵、と言うことでこれはふつうの単行本ではなく、『絵本』
気に入ったらとことん集めてしまうタイプだけど、とうとう絵本にまで手を出してしまった(笑)
さておき、ストーリーは主人公であるつばきが、ある朝、「まじょもりへ ごしょうたい」という手紙を受け取ったところから始まる。
家から道路ひとつ挟んだ先にある深い森。
大人たちは「御陵」と呼ぶそこは、子供たちにとっては「まじょもり」
入ってはいけないと言われているそこへ、けれど「ごしょうたい」を受けたつばきは、「空いろのつる」を道案内に、奥へ奥へと入っていく。
そこでひとりのハナさんと言う女性と出会い、またあとからやってきたふたばちゃんと一緒に、御神饌に生クリームやジャム、ピーナッツバターなどを塗ったお菓子を食べながら、たった3人の小さなお茶会を楽しむ。
とても短い話で、文章だけ読んでいれば30分はいらない。
じっくりと、文章から得られる出来事を、イラストを見ながら想像力を膨らませて、ゆっくりと楽しんでも1時間はかからない分量だと思う。
けれど、1回読んで、今度はイラストだけにして、またじっくりと……と短いぶんだけ、気軽に読める。
まぁ、実際に1回は文章中心にして、2回目はイラスト中心に読んでみたし。
文章中心だと見落としてる小さなところに気付くと、またそれがうまい具合に話の中で出てきた小さな言葉とかに対応していておもしろい。
イラストも話にとても合った感じで、特に空白の使い方がうまいと思った。
また、構成もおもしろい。
最初のページの日本家屋のようなイラストや、その次の近代的なシステムキッチン、そのあとのつばきの部屋と言った具合に配置されているけれど、これが読んでいくと、納得。
最後のほうもイラストだけにして、ゆったりとした間を作ったりと、ストーリーをうまく補完している。
しかし、こう何冊か梨木さんの本を読んだけど、この短編もオチがとてもいい。
つばきの家が神社であるとか、おかあさんの名前がふたばであるとか、話が終わったあとの神社の御祭神の縁起とか、そういうのがきっちりと、ラストに修練されていて、まったく不自然さがない。
で、またさらに、ほんとうに最後の最後の最後にやられた。
神社の縁起のところがあって、次のページが、著者ふたりの紹介文になっている。
ふつうなら、ここであとはなんか第何版とかが書いてあるのが文庫とかはふつう。
まぁ、これは著者紹介と、第1刷とかのは一緒になってたけど。
なので、最初は見なかった。
2回目に見たときに、著者紹介のところまで来て、本を閉じようとしたときに、ふとイラストが見えた。
まじょもりと現実世界を分ける木の柵の向こう側に、生クリームをたっぷり使ったようなケーキとフォーク、それから折りたたまれた手紙が1通。
くそぅっ、うまいぜっ!
脱帽であります。
神社に小さなお茶会。日本と英国の入り混じった、梨木さんの魅力的な雰囲気が楽しめるのでしょうね。
本屋さんへ行ったら探してみたいと思います。
でも、書いてなかったですが、高いです。
1300円もしました。
給料日でなければ手が出ません(笑)
日本と英国……英国のほうのがあまり明るくないので何とも言えませんが、確かに日本的な題材を扱ってて、それだけではない感じはありますね。