さて、個人的にはどう考えてもライトノベルの第157回は、
タイトル:スカーレット・ウィザード 1
著者:茅田砂胡
出版社:中央公論新社 C★NOVELS FANTASIA
であります。
一匹狼にして、「海賊たちの王」……キング・オブ・パイレーツと呼ばれる海賊のケリー。
そこへ仕事の依頼だと言って、結婚届を突きつける共和宇宙一の財閥の総帥ジャスミン・クーア。
裏表紙の煽り文句には「かなり異色な宇宙恋愛物語(スペース・ラブ・ストーリー)」とあります。
……どこがだ……?(笑)
……さておき、この作品、舞台が宇宙で未来物と言うことで「SF」にしているけど、中身は最初の文章にあるとおり、ライトノベル以外の何物でもない。
とにかく、深く考えてはいけません(笑)
完全核融合炉のエンジンや、いわゆるワープの役割を果たす「門(ゲート)」など、言いたいことがあるひとは言いたくなるだろうが、突っ込んではいけない。
ストーリーはまぁまぁだけど、相変わらずこの作家さんの描くキャラクターと言うのは、極めて個性的で、存在感があって、そして笑えるのが特徴。
さすがに契約夫婦だけあって、夫婦のクセにまったく色気も惚気もない。
ジャスミンは、ケリー曰く「女の突然変異」と言うだけあって、かなり考え方はドライだし、何より男らしい。
ケリーのほうは、ジャスミン曰く「変態」
超一流の宇宙船乗りだが、誰も自殺行為としか思えないことをやらかす。
もっとも、ジャスミンのほうもどっこいどっこいで、人工知能が発達して宇宙船の運航の大部分を担うようになった時代に計器だけで飛ぶ戦闘機でケリーを追いかけ回す始末。
どう考えても、どっちもどっちだ(笑)
さらにケリーの船であり相棒の人工知能ダイアナ。
とても人工知能とは思えないほど人間らしいのは、まぁお約束の一種としても、スクリーンに映る自分や背景をコーディネイトしたり、男性相手にはダイアナ、女性相手にはアポロンと使い分けて管制官を籠絡したり、ケリーと漫才をしたり……。
どうしても個人的にはストーリーを楽しむと言うより、キャラクターの個性や行動を楽しむ、と言った感じになってしまう。
とは言うものの、見所がまったくないわけではない。
1巻は、結婚届にサインをする条件として出した鬼ごっこ、それから終盤の高級ホテルを舞台にした銃撃戦が見所かな。
しかし、相変わらずテンポはいいし、流れはスムーズだし、読みやすいし、軽く読むには最適の作家さんだと思うんだけど、このひと、クセなのか、ただ単に好きなのか何なのか、とにかく世界をつなげたがる。
1巻の後半に出てくる人類以外の知的生命体ラー一族。
「デルフィニア戦記」にも出てきた種族だし、この次のシリーズ「暁の天使たち」に至ってはデルフィニアの主人公のひとりであるリィを中心に、デルフィニアキャラの話だし。
どうもここが引っかかるので、これさえなければなぁ、と思ってしまうのである。
タイトル:スカーレット・ウィザード 1
著者:茅田砂胡
出版社:中央公論新社 C★NOVELS FANTASIA
であります。
一匹狼にして、「海賊たちの王」……キング・オブ・パイレーツと呼ばれる海賊のケリー。
そこへ仕事の依頼だと言って、結婚届を突きつける共和宇宙一の財閥の総帥ジャスミン・クーア。
裏表紙の煽り文句には「かなり異色な宇宙恋愛物語(スペース・ラブ・ストーリー)」とあります。
……どこがだ……?(笑)
……さておき、この作品、舞台が宇宙で未来物と言うことで「SF」にしているけど、中身は最初の文章にあるとおり、ライトノベル以外の何物でもない。
とにかく、深く考えてはいけません(笑)
完全核融合炉のエンジンや、いわゆるワープの役割を果たす「門(ゲート)」など、言いたいことがあるひとは言いたくなるだろうが、突っ込んではいけない。
ストーリーはまぁまぁだけど、相変わらずこの作家さんの描くキャラクターと言うのは、極めて個性的で、存在感があって、そして笑えるのが特徴。
さすがに契約夫婦だけあって、夫婦のクセにまったく色気も惚気もない。
ジャスミンは、ケリー曰く「女の突然変異」と言うだけあって、かなり考え方はドライだし、何より男らしい。
ケリーのほうは、ジャスミン曰く「変態」
超一流の宇宙船乗りだが、誰も自殺行為としか思えないことをやらかす。
もっとも、ジャスミンのほうもどっこいどっこいで、人工知能が発達して宇宙船の運航の大部分を担うようになった時代に計器だけで飛ぶ戦闘機でケリーを追いかけ回す始末。
どう考えても、どっちもどっちだ(笑)
さらにケリーの船であり相棒の人工知能ダイアナ。
とても人工知能とは思えないほど人間らしいのは、まぁお約束の一種としても、スクリーンに映る自分や背景をコーディネイトしたり、男性相手にはダイアナ、女性相手にはアポロンと使い分けて管制官を籠絡したり、ケリーと漫才をしたり……。
どうしても個人的にはストーリーを楽しむと言うより、キャラクターの個性や行動を楽しむ、と言った感じになってしまう。
とは言うものの、見所がまったくないわけではない。
1巻は、結婚届にサインをする条件として出した鬼ごっこ、それから終盤の高級ホテルを舞台にした銃撃戦が見所かな。
しかし、相変わらずテンポはいいし、流れはスムーズだし、読みやすいし、軽く読むには最適の作家さんだと思うんだけど、このひと、クセなのか、ただ単に好きなのか何なのか、とにかく世界をつなげたがる。
1巻の後半に出てくる人類以外の知的生命体ラー一族。
「デルフィニア戦記」にも出てきた種族だし、この次のシリーズ「暁の天使たち」に至ってはデルフィニアの主人公のひとりであるリィを中心に、デルフィニアキャラの話だし。
どうもここが引っかかるので、これさえなければなぁ、と思ってしまうのである。