つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

初めて聞く文庫だ

2006-07-23 19:40:53 | 小説全般
さて、キリ番ゲットぉっ! って自分で言ってどうするとひとりで突っ込むの第600回は、

タイトル:賄い屋
著者;日貫瑞穂
出版社:彩図社ぶんりき文庫

であります。

よくアマゾンにあったなと言うくらい、まったく聞いたことがない出版社のまったく知らない文庫の短編集であります。
表題作を含む3編の恋愛小説が収録されており、例のごとく各話ごとに。

「賄い屋」
コンパなどで場を盛り上げ、スムーズに進行させる賄い屋と言う仕事を職業のひとつとしている派遣社員の佐藤は、ある田舎町で行われる町主宰のお見合いパーティで賄い屋の仕事をすることとなった。
都会でのコンパなどではない重い仕事に、お役所仕事のお堅いパーティ計画にうんざりしながらも、結婚を望む20~40代の男たちのために、イベントの見直しや情報収集などを通じ、パーティの成功とカップルの誕生に向けて佐藤は賄い屋として辣腕を振るう。

そんな中でお見合いパーティに応募してきたバツイチで4歳になる女の子を持つ頼子に惹かれる佐藤は……。

「月光のさざ波」
目や耳がやや悪いことから中学では特殊学級に籍を置いていた宗佑は、おなじ特殊学級のクラスメイトで、やや知恵遅れでゆったりとした話し方が特徴的な千代子と再会する。
釣りに誘ったことをきっかけに千代子と付き合うようになった宗佑は、しかし様々に渦巻く思いから千代子に対し、粗暴な面を見せたりするようになり、ある日の海水浴兼釣りに出かけた日の些細な諍いを境に逢わなくなってしまう。

だが、理由もわからない千代子の入院を機に、宗佑はようやく千代子とのことを決意する。

「夏のかほり」
短大を卒業し、OLをしていた静香は都会の生活に何かいい知れない不安から、会社を辞め、両親ともケンカをしたまま、1年の農業実習を経て、ある田舎町の農家に住み込みで農業に従事していた。
その農家を訪れる獣医の透に惹かれていた静香だったが、すでに恋人がいることは知っていた。だが、青年会が行う夏祭りの出し物の会議から急速に接近することとなり……。

総評としては、どれもこれもその辺にいくらでも転がっている路傍の石レベルの恋愛短編で、取り立てておもしろいエピソードやネタがあるわけでもない。
短編としてはきちんとオチはつけられており、ストーリーなども定番で、安心して読めると言えば読めるが、それ以上のものはまったく期待できない。

文章はふつうだが、話し言葉の部分に読点を多用するなど、特徴的なところはあるが、それがとてつもなく読みにくく、何らかの意味を狙っているのだろうがうざったいだけ。
ストーリーは平凡だし、文章上の特徴は気に入らないしでいいところがないようだが、いいところは……見当たらんな……(爆)

まぁ、あえて言うならばどれもあっさりとしたどろどろ感のない恋愛小説なので、そういう綺麗な話が好きなひとならばどうぞ、と言ったところだろうね。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おめでたい (にゅきみ)
2006-07-24 12:47:36
600回っすか…

やぱし、このクオリティで毎日更新は凄いっスよ



ちなみにアマゾンさんは、ロングテールというビジネスモデルを

積極的に活用しているので、マイナー作を探しやすいらしいっす。

どんなにマイナーだって欲しい人はいるでしょ?

みたいな。



今後も楽しみにしてます。

無理せず続けて行って下さい。
返信する
ありがとうございます(^^ (LINN)
2006-07-29 20:17:14
ロングテールですか。

確かにネットならではのビジネスですねぇ。

実際、マイナー嗜好がそれなりにあるほうなので、そういうのはうれしいですね。



と、まだまだ続けますよ~。

次回目標1000回!(爆)

あと最低1年は続ける予定……です。
返信する