さて、軽く読み返すつもりが本気で読んでしまった第154回は、
タイトル:モモ
著者:ミヒャエル・エンデ
出版社:岩波書店
であります。
ふと思いました。
嫌いな作品の評を書く時は筆がすらすら進むのに、好きな作品だと上手くいかない。
うーむ……下手に書いて、変な先入観を持たれるのが嫌だからかなぁ。
というわけで、モモです。
作者は『はてしない物語』、『ジム・ボタンの冒険』で知られるミヒャエル・エンデ。
そして彼の最高傑作です――少なくとも私の中ではそう。
(『鏡の中の鏡』もいいが、あれは嫌いな話も多いので……)
*
大きな都会にある小さな円形劇場。
ある日、忘れられたその廃墟に誰かが住みついた。
くしゃくしゃの髪と大きな黒い目を持ち、だぶだぶの上着を着た少女。
彼女の名はモモ。
周囲に住む、貧しいけど親切な人々がやってきて言う。
施設に入ってはどうか、誰かに面倒みてもらうべきだ、一緒に住まないか。
彼女はそれらすべてを否定し、廃墟に住むことを認めてもらえないかと問う。
人々はそれを認め、彼女のために一つずつ小さな親切を置いていく。
モモは人の話を聞くのが好きで、得意だった。
老若男女、様々な人々が彼女に話をするために円形劇場にやってくる。
他愛のない世間話、喧嘩の話、仕事の話、夢のような物語。
モモはどんな話だろうと、真剣に耳を傾ける。
貧しくとも幸せな日々は、じわじわと、しかし急速に消えていった。
時間貯蓄銀行に所属する怪しい男達が、町の人々に接触し始めたからだ。
人は余裕を忘れ、効率のみを求めて疾駆する、それが幸せだと信じて。
孤立したモモは、時間を奪った男達――時間泥棒と対峙することになる。
*
童話です。
ファンタジーです。
でも……子供だましの夢物語、ではありません。
ひじょーーーーーに恐いお話です。
時間泥棒は貴方の近くにも潜んでいます。
彼らの魔の手から逃れるにはどうすればよいか?
私も……その答えを知りません。
うーむ、やっぱり上手くいかないな。
これ以上書くと、内容全部書くことになっちゃうし。
読んで、楽しんで、考えて下さいとしか言えない。(無責任)
余談ですがこの作品、映画化されてます。DVDも出てる。
すごくいい出来です。
ほぼ完璧に原作を再現しています、しかもモモがハマリ役。
原作者エンデのお墨付きで、本人自身が出演している(!)のも魅力。
ビジュアル面では文句なしだけど、オチで原作を完璧に破壊した『ネバーエンディング・ストーリー』とはえらい違いです。まー、あれはあれで好きですけど。
(つーか……書評で映画のDVDをオススメしてどうするんだ?)
タイトル:モモ
著者:ミヒャエル・エンデ
出版社:岩波書店
であります。
ふと思いました。
嫌いな作品の評を書く時は筆がすらすら進むのに、好きな作品だと上手くいかない。
うーむ……下手に書いて、変な先入観を持たれるのが嫌だからかなぁ。
というわけで、モモです。
作者は『はてしない物語』、『ジム・ボタンの冒険』で知られるミヒャエル・エンデ。
そして彼の最高傑作です――少なくとも私の中ではそう。
(『鏡の中の鏡』もいいが、あれは嫌いな話も多いので……)
*
大きな都会にある小さな円形劇場。
ある日、忘れられたその廃墟に誰かが住みついた。
くしゃくしゃの髪と大きな黒い目を持ち、だぶだぶの上着を着た少女。
彼女の名はモモ。
周囲に住む、貧しいけど親切な人々がやってきて言う。
施設に入ってはどうか、誰かに面倒みてもらうべきだ、一緒に住まないか。
彼女はそれらすべてを否定し、廃墟に住むことを認めてもらえないかと問う。
人々はそれを認め、彼女のために一つずつ小さな親切を置いていく。
モモは人の話を聞くのが好きで、得意だった。
老若男女、様々な人々が彼女に話をするために円形劇場にやってくる。
他愛のない世間話、喧嘩の話、仕事の話、夢のような物語。
モモはどんな話だろうと、真剣に耳を傾ける。
貧しくとも幸せな日々は、じわじわと、しかし急速に消えていった。
時間貯蓄銀行に所属する怪しい男達が、町の人々に接触し始めたからだ。
人は余裕を忘れ、効率のみを求めて疾駆する、それが幸せだと信じて。
孤立したモモは、時間を奪った男達――時間泥棒と対峙することになる。
*
童話です。
ファンタジーです。
でも……子供だましの夢物語、ではありません。
ひじょーーーーーに恐いお話です。
時間泥棒は貴方の近くにも潜んでいます。
彼らの魔の手から逃れるにはどうすればよいか?
私も……その答えを知りません。
うーむ、やっぱり上手くいかないな。
これ以上書くと、内容全部書くことになっちゃうし。
読んで、楽しんで、考えて下さいとしか言えない。(無責任)
余談ですがこの作品、映画化されてます。DVDも出てる。
すごくいい出来です。
ほぼ完璧に原作を再現しています、しかもモモがハマリ役。
原作者エンデのお墨付きで、本人自身が出演している(!)のも魅力。
ビジュアル面では文句なしだけど、オチで原作を完璧に破壊した『ネバーエンディング・ストーリー』とはえらい違いです。まー、あれはあれで好きですけど。
(つーか……書評で映画のDVDをオススメしてどうするんだ?)