のんびり娘の謎

10円が2個で、、、12円?今日の前の日は、、、前の日?のんびり娘のお答えは、理解できない謎ばかり。さぁ、どうする?

構造化?

2008-10-15 13:26:30 | 先生方に②参考になれば
自閉関係のブログで、よく「構造化」という言葉を見かけます。
私はこれをごく単純に大雑把に「わかりやすい工夫」と捉えています。
私が学校で見かける小さな小さな「構造化」をちょっと書いてみようかなって思います。

先日、Rチャンの件で「連絡帳」について少し書きましたが、
学校というところは、宿題だの連絡帳だの、プリントだの
毎日毎日、実にたくさんで多彩な「提出物」「配布物」がある場所です。
例えば、ある日の朝。

連絡帳は教室前方端の先生の机の上。
日記は、教室広報のロッカーの上。
音読カードは教室前真ん中の教卓の右側。
漢字のプリントは、その横。
算数ファイルに貼り付けてある計算プリントは床の上の籠の中。
といった具合で、集める方も集められるほうも大変なのです。

特に、連絡帳の扱い方には、先生夫々のやり方がありまして、
これが、親を悩ませたりする事もあるのですが、今日は
「これはいいなぁ」
と思ったあるベテランの先生の方法を紹介しようと思います。

その先生は、昨年いっぱいで定年退職されまして、今は校内にいらっしゃらないのですが、「集配」に関しては、とってもわかりやすくて効率のいい仕組みを
クラス内に作っていた方でした。

この先生の基本は「班長の活用」。
班は4人班を基本にして、宿題でも授業内で取り組んだワークシートでも
班長がその場で集める事にしていました。
たった4人ですので、名前が書いてあるかとか、書き忘れがないかとか
或いは宿題忘れがあったかどうかなど、
基本的なチェックが、子ども達の中で1たん出来ちゃうんですね。
そして班長が先生に報告。これで、漏れが出ないんです。

また、ワークシートやプリントのファイル、またドリルなどは、
教室の片隅に班毎の入れ物を用意してあり、机の中ではなく
そこに片付けるようになっています。
これも、作業の後で必ず先生が
「では、班長さん集めて班の箱に入れてください。」
というので、持ち帰ってどこにやったかわからなくなったり、
机の中でくしゃくしゃになって忘れられるというような事もありません。
もちろん箱には大きく班番号が書いてありますから
子ども達も間違えないです。

さて、こうしてわかりやすい環境を整えている先生が
連絡帳をどう集めているかと言うと、これだけは班ではないんですね。
連絡帳には、プライベートな相談内容がかかれていたりもします。
ですので、子ども達が他の子の連絡帳を覗き見できるような状況は
望ましくないわけです。
そして、連絡帳の中には、その日の子どもの体調や早退等について
書かれている事もあります。
こうした情報は朝一番に読んでおかないと意味がありません。

例えば
「アレルギーが出ていますので卵除去してください。」
なんていう情報が書かれている連絡帳を、
子供がだし忘れたので読まずに給食を食べさせたでは済まないわけです。
(でも、このことに気付いていない先生もいるのですよね・・・)

ベテランのこの先生は、必ず毎朝連絡帳をチェックします。
親からの記入がある子は、多くても数人。普通はひとりか二人、ゼロの時も多いです。
それでも先生は毎朝必ず全員分に目を通すのです。
35人分なんて、開いたり閉じたりするだけでも時間かかりそうでしょ。
でもそれを効率良くやる方法があるんですね。

この先生の方法っていうのは、
子供達が自分の連絡帳を開いて持って、座っている先生のところを通っていくという
ベルトコンベアー方式なんです。
一度に出てくるとゴチャゴチャしますので、廊下側から2列ずつ順番に並び、
開いた連絡帳を先生に見せながら通り過ぎる。
そのとき、親の記入がある連絡帳だけを先生がピックアップ。
特に記入のないものは、そのまま席まで戻らせるという方法なんです。

列ごとに全員が並びますので、これだと見落としが無いです。
忘れた子がいたら、それもすぐにわかります(目立つから)。
ピックアップした連絡帳は、すぐ目を通してコメントを書き子どもに返す。
子ども間のトラブルとかルール違反に関しての訴えなどは、
その朝すぐに当事者の子ども達から話しを聞いたりもできますので、
学校と家庭との連携がいい形でとれます。

この先生と最初にお逢いしたのは、数年前の一年生のクラスでした。
そのときには、このクラスには自閉症のかなりはっきりしたU君
(笑顔が可愛いお茶目さんで、言語による指示がかなりとりにくいタイプでした)
がいましたけれど、毎日同じやり方で行なわれるこうした「集配」については
間もなく慣れて、特に注意を受けなくても自力でできるようになっていきました。

何をどこに置くかがはっきりしていて、
それをいつするのかもはっきりしている
このクラスでは、
のんびり系のお子さんも含め、
子ども達が無用に悩まずに済み、怒られずに済み、
毎日の繰り返しの中で、いつの間にか
学校生活に必要なルールや動きを
身につけていく事が出来ていたように思います。