のんびり娘の謎

10円が2個で、、、12円?今日の前の日は、、、前の日?のんびり娘のお答えは、理解できない謎ばかり。さぁ、どうする?

文章題

2008-09-12 23:06:09 | 2年算数
昨日の補習教室に二年生が数名。遅れている教科書の練習問題をやりに入ってきました。
メンバーの顔ぶれを見ると、「言葉系苦手な子」達ばかり。
案の定、文章題で
「せんせい、これわかんない」の声が飛びます。

問題文は

アルミかんとスチールかんをあわせて112こひろいました。そのうちアルミかんは64こでした。スチールかんはなんこでしょう。

メンバー全員根っこの問題点は一緒なので、私にしては珍しく
まとめて教えることにしました。
隅に置いてあるホワイトボードを引っ張ってきて、いつものメモ用紙の代わりに使います。

「順番に少しずつ絵にしていくから、まず最初の丸まで読んでみて。」
と、こう声をかけても、一気に最後まで読んじゃう子がいるのを途中で押さえて、
もう一度、最初の1文だけを読んでもらいます。

そうして、袋に入れたアルミ缶とスチール缶の絵を書くのですが、ここでひと言子ども達に質問。
「ねぇ、スチール缶って知ってる?」
「ううん。」
だよね。今時スチール缶はなかなか目にしないもん。
で、ちょこっとスチール缶を説明して、子ども達が言葉をイメージする手助けをしておきます。
アルミ缶入りの袋(袋の外側に「ア」と書いたの)と、スチール缶入りの袋(こちらには「ス」と書きました)を適当に書いて、それをぜぇんぶ丸く囲って、
「全部でいくつあるんだっけ?」
と問えば、全員が難無く
「112個」と答えます。
だからそれを大きな囲みの所に書いておきます。

「これで最初の文章はいいかな?」
と、もう一度1文目を読んで確認。皆が「いいよ。」
といってくれてから、次の文を読んでもらいます。

「『そのうち』っていうから、アルミかんはここにあるのでいいのかな?それとも別に書く?」
という聞き方をすれば、これも全員難無く、
「そこにあるやつ!」
と答えて迷いはありません。
「じゃぁ、アルミ缶ばかりまとめるよ。」
と、色を替えたマジックでアルミ缶の袋ばかりを囲みます。
(これを想定して、アルミかんの袋は左側に固まるように書いておいたのです)
「さて、これが何個だって?」
と問えば、やはりすんなり答えはでます。
「64こ!!」
これも、絵に書き込みます。
で、2番目の文をもう一度読んで大丈夫かどうか確認。
そしていよいよ最後の文章です。

「スチールかんはなんこでしょう。」
「どこの事を聞いてるのかな?」
という問いかけに、子ども達の目が右側に寄せたスチール缶の袋の方にうごいたのを確認して、スチール缶の袋全部をまるで囲み、そこに「?」を書き込みます。

「で、何算かな?」
と問い掛けると、全員迷わず
「引き算!」
って言うんですね。

「何から何を引く?」
っていう、私の最終チェックの質問にもぶれなく
「112から64を引く!」
と、自信を持って答えてくれます。


うちののんびり娘の二年生のときだと、そこまでしても「引き算」と出てこなかった訳ですが、この子達はこれで充分に自信を持ってとき方を思いつけるレベルにはあるんですね。
それだけの力があるのに、文章題を読んでも読んでも「わからない」になってしまう。
その原因の一つには、「全部を一辺に読もうとする」があるような気がするのです。

最初にかきましたけど、
「丸まで読もう」
と指示したのに、このメンバーの殆どの子は最後まで読もうとしてしまいました。
そして読み方は早いです。というか、丸で区切れていないんです。
つまり、読みながら書いてある事を思い浮かべている読み方ではないという事ですね。
字を追って読むだけは読む。でも中身は頭に引っかかっていない。
だから、最後の「スチールかんはいくつでしょう」或いは「かんはいくつでしょう」の部分だけが残って、「わかんない!」になっちゃうのではないかと思うのです。

一文ずつ順序良く思い浮かべる事が出来れば、式を作るのは大変なことではありません。
でも、バーっと読んでしまう子にどうやってそれをさせるのか。「よく読め」の一言では、こういう子達はなかなか救えないんです。だって「読んでいる」んですもん。

子ども達と一緒に1文ずつ絵にしていくことで、
どう読んだらいいかの方法を伝えたい。
困った時、わからないとき、どう突破口を開いたらいいのか、
戻るところを作ってあげたい。

一度に全部ではなくて、
質問から戻っていくのでもなくて(実は私自身は質問から戻るタイプです)、
1文ずつ着実に責めていく。
そしてそれを「絵」という形で残していく。
そういう方法なら、ある程度言葉の弱いお子さんでも結構いけると思うんですね。



この「順序良く絵を描く(或いは「図を書く」
または「イラストにマークする」)」という手法ですが、
実は、中2ののんびり娘の証明の勉強でも使っているんです。

AB=ACである二等辺三角形ABCにおいて・・・

など、長ったらしく続く「仮定の文章」をサラッと読み流しては何にも頭に残りません。
出てきた記号をその都度横の図のどこに当たるか確認して必要なら図に書き込みをし、そうして図をみて証明の手順を考える。

考えたら、補習教室の小2とやってる事は変わりませんねぇ。