熊野詣の湯垢離(ゆごり)場として、また、小栗判官と照手姫の伝説の舞台として知られる湯の峰温泉。ここはおそらく日本最古の温泉であるとともに、唯一の世界遺産の温泉です。
一日のうちに七色に変化すると言い伝えられる「つぼ湯」は、板囲いの中、岩をくり貫いただけの、二人入ればいっぱいの小さな温泉です。なので入浴には貸し切りが原則となっています。
岩を伝って湧き出てきて窪みに満たされているお湯は、青みがかった白色で、かなり強い硫化水素臭。もちろん掛け流しであるが、横にある公衆浴場の薬湯の方が、お湯の質が勝るように思えます。大勢が入浴するからでしょうか。
なにせ岩の隙間から自然に湧出するお湯のこと、そのままの状態では熱すぎてとても浸かる事ができないので水で埋めることになる。その加水を入浴客が自由に行うのだから、泉質や温度管理が一定しないし、加水による泉質の劣化を感じてしまうんですね。
このつぼ湯、それ自体が観光名所のため、いつ行っても貸し切りの順番待ちが30分以上。なので、イラチなワタシにはなかなか体験できませんでした。ある日、たまたま空いていたので即、入湯。喜び勇んでパンツを降ろしているところ、観光客のオバハンが扉をガラっと・・・「ゥワ!」と言って慌てて閉めよりました。謝れよ!世界遺産の貴重な温泉ではあるが、なんだか、あんまりいい印象がないのが残念だな。
- 泉質:含重曹硫化水素泉 92度
- 場所:奈良交通、熊野交通、龍神自動車・湯の峰温泉BS
- 訪問日:2005年4月25日