十津川温泉が広く知られるようになったのが2004年、全国に先駆けて「100%源泉掛け流し宣言」を発表したこと。折も折、温泉偽装が世間を賑わせていたときに「掛け流し」の価値を高めたことが全国に波紋を広げました。
この実に小規模な温泉街の一角にある「植田屋」は、十津川温泉では老舗旅館のひとつで、お隣りの「湖泉閣吉乃屋」とは対照的に庶民的な値段が魅力のお宿。しかし、お隣りと同様、窓からはエメラルドブルーの二津野ダム湖が眺められます。
この旅館の温泉は1階から階段を降りたところにある。浴室の扉を開けるといささか古びた感じではあるが、ぷうんと漂うアロマの芳しさにまず悩殺される。浴槽には十津川特有の淡麗な色合いにもかかわらず、トロリとした濃厚な浴感を持つ。まるで上質の白ワインのよう。
ナトリウム-炭酸水素塩泉のこのお湯こそ「100%源泉掛け流し宣言」を可能にした高温かつ豊富な湯量を誇る十津川の湯です。豊かなお湯と芳しい香りに包まれてゆったり足を延ばす至福。温泉を愛する者にとっては最高の癒しです。
この旅館の食事は極めてシンプル。夕食は胡瓜とホタルイカの酢の物、海老芋や高野豆腐などの焚合せ、マグロとホタテのお造り、鮎の塩焼き、茶碗蒸し、そしてメインとなるのが温泉しゃぶしゃぶです。
料理の詳細は食べログで
1万円足らずの料金で上質の温泉とお料理、そして老夫婦による、まるで自分の田舎に帰ってきたような温かいおもてなしのあるこの旅館がある限り、また十津川に戻ってこようという気にさせてくれるのです。
・場所:奈良交通・十津川温泉BS
・泉質:ナトリウム‐炭酸水素塩・塩化物泉 70℃
・訪問日:2017年1月16日
・泉質:ナトリウム‐炭酸水素塩・塩化物泉 70℃
・訪問日:2017年1月16日
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