十津川温泉のバス停留所は窓口や待合室、トイレなどが備わるひとつの建物で、バス停というよりはちょっとした駅です。日本一広い村の十津川村の重要な足、十津川村営バスがここを起点にしていて、寒村の貴重な移動手段を守っています。
全長166.9㎞、停留所の数は167、高速道路を使わない路線では、日本一の走行距離を誇る路線バスの奈良交通・八木新宮特急バスもここに着いたら小休止、長旅の疲れを癒します。
バス停留所の目の前のダム湖の湖畔にあるのが、十津川村の「源泉掛け流し宣言」とともに、それを象徴する施設として造られた、足湯や飲泉所も有する、小さいながらも本格的な日帰り温泉施設です。
エントランスの横には飲泉所があり、温泉水を飲んだりペットボトルに詰めたりすることができるようになっています。(ポリタンクに給水する場合は横の駐車場にある有料の温泉スタンドを利用のこと。)
エントランスから階段で1層降りたところが無料の足湯、さらに1層降りたところにあるのが庵の湯の浴場です。券売機に500円を入れて入浴券を購入して奥に進むと、男女別の浴室があります。
高野槇の浴槽には十津川温泉独特のやや白濁した、心地よいアロマのお湯が掛け流されています。大きい窓からダム湖が広がり、露天ではないもののそれと同じぐらいの解放感を感じることができます。
この湯をワインに例えるなら、きりりとして、かつ芳醇。フランスを代表する白ワインの「シャブリ」のような感じかな。こんなお湯を心おきなく堪能できるのだから、ここは極上の共同湯といって間違いない。
当初、浴室は露天のみの設計だったそうだが、それでは奈良県の条例に抵触するらしく屋内に変更されたとのこと。温泉好きには香りや浴感を余すところ無く感じることのできる屋内のほうがいいですね。
・場所:奈良交通・十津川温泉BS
・泉質:ナトリウム‐炭酸水素塩・塩化物泉 70℃
・訪問日:2008年12月10日
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