秘書さんのお勧めで、エジプト人作家Alaa El Aswanyの著作Yacoubian Buildingを読破。
以前、やはり彼女に借りて読んだアルジェリア人作家Yasmina KadhraのÀ qui rêvent les loups と
似たトーンで、90年代以降のイスラム世界、独裁政権の下で社会的な不平等に翻弄される市井の人々を
描き、正直、登場人物たちに次々に訪れる試練で少々鬱々とした気分にもなりましたが、
良い小説でした。
Kadhraと同じく、汚職と不平等、差別の蔓延る社会で、下層の市民が
さまざまな機会を奪われ、社会的正義の実現と是正をめざし、気が付くと
イスラム原理主義に染まっていき、最後は「ジハーディスト」として
非業の死を遂げる下りは、きっとこのような若者が現実にたくさんいるんだろうと
思わせました。
過激化予防と言ったときに、穏健派の協議を教え込む、矯正教育だけでは
現状は何も変わらないだろう、不平等や差別をそのままにする社会の在り方
そのもの(広い意味ではガバナンスというのかもしれませんが…)に
切り込まない限り、若者の過激化はいつまでも続くのではないかとの気持ちに
なりました。
暴力行為は決して許されないものの、
自分がこの登場人物のような状況に置かれたら、果たしてどのように
行動するだろうかと思うと、きれいごとだけを言って解決できる問題では
ないと感じます。
以前、やはり彼女に借りて読んだアルジェリア人作家Yasmina KadhraのÀ qui rêvent les loups と
似たトーンで、90年代以降のイスラム世界、独裁政権の下で社会的な不平等に翻弄される市井の人々を
描き、正直、登場人物たちに次々に訪れる試練で少々鬱々とした気分にもなりましたが、
良い小説でした。
Kadhraと同じく、汚職と不平等、差別の蔓延る社会で、下層の市民が
さまざまな機会を奪われ、社会的正義の実現と是正をめざし、気が付くと
イスラム原理主義に染まっていき、最後は「ジハーディスト」として
非業の死を遂げる下りは、きっとこのような若者が現実にたくさんいるんだろうと
思わせました。
過激化予防と言ったときに、穏健派の協議を教え込む、矯正教育だけでは
現状は何も変わらないだろう、不平等や差別をそのままにする社会の在り方
そのもの(広い意味ではガバナンスというのかもしれませんが…)に
切り込まない限り、若者の過激化はいつまでも続くのではないかとの気持ちに
なりました。
暴力行為は決して許されないものの、
自分がこの登場人物のような状況に置かれたら、果たしてどのように
行動するだろうかと思うと、きれいごとだけを言って解決できる問題では
ないと感じます。
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