沖縄の日常

日々変わり行く沖縄と自然とつれづれなるままに

勝連城跡(世界遺産)

2010年11月07日 | 日々のこと
 先日また勝連城跡へ上った。写真の通り城へ通ずる道は視界が開け、急な傾斜で外敵をいち早く確認できるような作りになっている。四っつの曲輪からなり、城壁の石は珊瑚質石灰岩の切り石が使われ、優雅で美しい。

 最も高い一の曲輪からは、北側に金武湾を挟んで北部の山並みが見え、東に平安座島、宮城島、伊計島が、南には中城湾から遠く太平洋を一望できる、360度の雄大な景色。

 この勝連城跡は、今帰仁城跡、中城城跡と共に、世界遺産に登録されている。その中で私はここが一番好きだ。朝から勝連城に上れるとわくわくしていた。
 この城の主など詳しいことは、ボランティアガイドさんに案内してもらったお陰で、今まで興味のなかった歴史本も読んでみようかなという気持ちにさせられた。

  今、5夜連続放送されたテレビドラマ「JAPANESE AMERICANS」をみた。真珠湾攻撃から始まった、アメリカ移民した日系一世の苦難の人生と「442部隊」、忘れてはならない。私の父も含めて、戦争の時代に生きた人々は多かれ少なかれ歴史に翻弄された人生を送っている。
 広島、長崎と二個も原爆を投下されたこと、忘れてはならないと改めて思い知ることができた。

 自分が死ぬ時には、何を願うのだろうかと想像してみた時、やっぱり「戦争のない平和な世がいつまでもつづきますように」と私は願うだろう。子や孫のために。

 戦争で無ければ、働けばどうにか食べていける。しかし。戦争が起ってしまうと、人間は人間でなくなり、畜生に陥ってしまい、憎しみの連鎖を生む。そのことがどんなに酷い悲惨な事なのか、私たちは体験しなくとも本を読んだり、あらゆる情報を収集すればわかる。人間としての尊厳を失ってしまう戦争。

 脚本を書いた橋田壽賀子さんの残したいメッセージもそうだったのだろうと思う。

 私を始め戦争体験のない人へのメッセージとして、一世の方々が居なくなってもそれは心の中に刷り込むように、伝えて行かなくてはならない事である。

 主のいないすべての城跡は、人間の愚かさをも教えてくれる。

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