この堂は一見三重の塔に見えますが、江戸時代に流行した三匝堂(さんそうど
う)で、俗に栄螺堂(さざえどう)といわれる仏堂の一形式です。江戸中期、本所
の羅漢寺に建てられたものなど、関東以北の寺院に相当建てられましたが、今に残
る遺構は非常に少ないのです。都内では明治17年改築とはいえこの堂のみで、貴
重な建築物です。
内部には、初層に本尊の阿弥陀如来と八十八祖像、二層に十三仏、三層に五智如
来と二十五菩薩を祀っています。昔は、ここに参れば一時に諸国の霊場、諸仏を巡
拝したのと同じご利益があるとされ、さざえの殻の中のような堂内を巡拝したとい
われています。(足立区教育委員会)