この数日、陸の様子がとっても変だった。昼間でも、ハアハアと暑がっているのはわかるんだけど、ベタッとある場所に移動して、また数分で次の場所に移動する。落ち着かない動きを繰り返している。夜も、今は暑いからベッドには上がらないのだが、その時は妻がベッドに入ってしばらくすると、陸もベッドに上り、タオルケットやら薄い掛布団をいじっていたという。でも、結局はすぐにベッドを下りて、1階の玄関に行った。この一連の陸の行動は、常に私たちから見える場所を移動しているのだ。そして、伏せしながら私たちの表情を窺っている。散歩から帰ったときも、妻の手に甘えるように顔をすり寄せる。こんな動作は今までなかった。陸の中に、何かが起こっているのか。なんか、こんな様子じゃ夏が越せないと、ちょっぴり不安がよぎる。陸だって、もう11歳だからね。
で、深夜に落ち着かない陸をなでなでしながら、陸、どうしたの。暑いの。我慢しようね。と顔を触っていると、陸の向かって左の頬あたりになんか異物が。こんなところに、出来物が表れるんだ。こりゃ~また動物病院かな。で、その日は寝た。次の日の昼過ぎに、陸を妻の前に引っ張ってきて、陸のこんな所に、おできができている、と。妻は、「えっ、なーに」で、触ってみた。突然、「ダニだ~」と妻は叫ぶ。ティッシュを手にして、私に「陸をしっかり抑えていてね」といい、ぎゅっとそのおできを切り離す。直径5ミリくらいの黒い玉に何か虫がついて蠢いている。妻は、それをおもいっきりつぶした。真っ黒い液が、ティッシュに拡がる。気持ち悪~。「陸~、痛かったね~」と妻が陸に声を掛ける。陸は相変わらず、ハアハアハア。そうか、痛かったんだ。気持ちが悪かったんだ。それで、私たちにそれなりのアピールをしていたんだ。
いや~、気をつけないといけませんね。ダニとはね。奈良はダニが多いと言っていたけど、こんなことは初めての経験。陸だって、はじめてらしい。ほら、写真で見ると、陸の口の上に、何か黒っぽいのが見えるでしょ。これなんです。あれからは、常に陸をなで回して、何かないかをチェックする毎日。これ以上、痛い思いをさせられませんから。本当に、陸はなんにも言わないから。