今日も穏やかな秋晴れの日である。いつものように、井の頭線の電車に乗って、渋谷に向かう空席も目立つ車中で、私は携帯メールを打とうとしていた。
電車が走行中の時に、向かい側のシートに座っていた若者が、1人分の空いた隣のおばさんに声をかけた。「ちょっと聞いていいですか」。おゃっ、と思う私。
さらに若者は「この電車、どこに向かっているのですか」とおばさんに聞いた。ずっころげそうになる私。おばさんが、どう答えたか聞き取れなかったが、その時、電車は駅に停車していた。
その若者は聞き終わると、やおら立ち上がってドアへ向かう。ほとんど閉まりかけたドアに手を掛け、懸命にこじ開けようとするが、虚しくドアは閉じられた。若者は何かぶつくさいっている。かすかに「ちくしょー」と聞こえた。
次の駅で飛び出して、向かいに停車している反対方向行きの電車に乗ろうとしたが、それも間に合わなかったのか。ホームのベンチに座り、走り出した電車にうつろな視線を投げかけている。私の乗った電車もドアが閉まり走りはじめると、その若者の姿はプラットホームとともに遠くかなたへ去っていく。
あれは何だったんだろう。よく、ある一瞬の記憶を無くす人がいるという。たとえば、30分、いや10分以上の体験したこと、聞いた言葉とかは、もうすべて忘れてしまう、そんな脳機能の症状を持つ人がいるらしい。それなのかも。いわば若年性の認知症ですね。決して先天的な脳や発育障害を持った人には見えなかったから。井の頭線は、そんな人が結構いますから、それなら直ぐにわかるのですが。
決してそんな人とは断定できないが、ちょっとびっくりした今日の出来事でした。東京は、いろいろありますね。逆に断定できれば、周りも対応の仕方があるのにね。とにかく東京は、日々サプライズ。でも無事に、皆様に確かな明日が訪れますように。
電車が走行中の時に、向かい側のシートに座っていた若者が、1人分の空いた隣のおばさんに声をかけた。「ちょっと聞いていいですか」。おゃっ、と思う私。
さらに若者は「この電車、どこに向かっているのですか」とおばさんに聞いた。ずっころげそうになる私。おばさんが、どう答えたか聞き取れなかったが、その時、電車は駅に停車していた。
その若者は聞き終わると、やおら立ち上がってドアへ向かう。ほとんど閉まりかけたドアに手を掛け、懸命にこじ開けようとするが、虚しくドアは閉じられた。若者は何かぶつくさいっている。かすかに「ちくしょー」と聞こえた。
次の駅で飛び出して、向かいに停車している反対方向行きの電車に乗ろうとしたが、それも間に合わなかったのか。ホームのベンチに座り、走り出した電車にうつろな視線を投げかけている。私の乗った電車もドアが閉まり走りはじめると、その若者の姿はプラットホームとともに遠くかなたへ去っていく。
あれは何だったんだろう。よく、ある一瞬の記憶を無くす人がいるという。たとえば、30分、いや10分以上の体験したこと、聞いた言葉とかは、もうすべて忘れてしまう、そんな脳機能の症状を持つ人がいるらしい。それなのかも。いわば若年性の認知症ですね。決して先天的な脳や発育障害を持った人には見えなかったから。井の頭線は、そんな人が結構いますから、それなら直ぐにわかるのですが。
決してそんな人とは断定できないが、ちょっとびっくりした今日の出来事でした。東京は、いろいろありますね。逆に断定できれば、周りも対応の仕方があるのにね。とにかく東京は、日々サプライズ。でも無事に、皆様に確かな明日が訪れますように。