迷宮映画館

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雲南の少女 ルオマの初恋

2007年12月14日 | あ行 外国映画
中国雲南省に住むハニ族の村。山一面に広がる棚田の壮観さに息をのむ。

その村に住む少女、ルオマ。おばあちゃんと二人で暮らしているが、町にでて焼きトウモロコシを売っている。背中にトウモロコシをしょって、棚田のクロを歩いていく。棚田は、こんこんとわきあがる水にうるおい、高い山に位置しているのに、豊かに水を湛えている。

なかなかトウモロコシは売れないが、町で写真館を開いているアミンという青年と出会う。都会的なアミンと話しているうちに、ほんわかと恋心を抱くようになり、観光客と写真を撮ったりする仕事を作り、目が都会に行くようになる。

エレベーターも見たことのないような山村に育ち、棚田を守り、牛が代を掻いてるような昔ながらのここでも、どんどんといまどきのものが入ってくる。

ルオマはアミンと一緒に都会の昆明に行こうとする。たった一人のおばあちゃんと別れ、自分も一歩を踏み出そうとする。しかし・・・・。

と、とにかくゆったりと、ゆったりと、あの辺はもしかしたら時間の歩みが他とは違うのではないかと思うくらいにゆったりと時が流れている。悠々と水を湛え、次の田んぼへと水が受け継がれていく。ゆったりと、ゆったりとだ。

観光客はどこにでもいるもんで、そこで生活している人は、観光のスポットのひとつにすぎないような扱いをして、通り過ぎていく。観光客のおかげで暮らしていけるようなところもあるし、それに依存して、うまく儲けようとしているちゃっかりとした姿も表わされるが、それも生きていく術だ。

17歳のルオマが、都会から来た青年に惹かれる気持ちがよくわかる。何でもよく見える年ごろで、ちょうど憧れるにはぴったりの青年。年食って、斜めに見るようになってしまったおばちゃんには、どっこがいいんだい。と「やめろ、やめろ」といいたくなるが、そういっても恋しちゃった乙女には聞こえないだろう。まっすぐ、純粋に前を見て、突き進もうとするあの年頃の姿がうまい。

どっちにしろ、この映画の主人公は見事な棚田の風景だ。そこに溶け込んでいるハニ族の人々もそこでこそのハニ。はたで見てるぶんには、いつまでも守ってもらいたい風景だが、きっとそれはものすごく不便なことなのだろう。でも、あってもらいたい。何となく、まだ人間は大丈夫、っていう確認のような気がした。

◎◎◎

『雲南の少女 ルオマの初恋』

監督 チアン・チアルイ
出演 リー・ミン ヤン・チーカン シュー・リンユエン リー・ツイ


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2 コメント

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初恋のきた道 (メル)
2008-11-27 20:56:19
のように、もっともっと胸キュンかな・・と
思ってたけど、そのあたりはもう1つでした(^^ゞ
でも、やっぱりなんと言っても世界遺産のあの
棚田ですよね~♪
こちらもそちらと同じく、棚田があるところがあり、そこも世界遺産云々という話もあったようですが、なんとなくこの棚田を見ると、望郷の念みたいなのが湧くのが日本人ですよね(^^

それとハニ族の風習や文化など、異文化にも
やられちゃいました。やっぱりそういうの見たり知ったりするのは嬉しいです♪
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>メルさま (sakurai)
2008-11-27 23:14:57
棚田の美しさは、息をのみました。
でも、きっと不便なんでしょうね。
あすこに住んでる人は、大変だと思います。

やはり、谷の県ですから、棚田はありそうですよね。ああいうの風景を見るとホッとするのは、やはり日本人なのかなあ。
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