迷宮映画館

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死刑台のエレベーター ニュー・プリント版と蛇足

2010年12月07日 | さ行 外国映画
今年夏ごろに、予告編を見て、椅子からずり落ちそうになった作品が例のあれ。
「えーー、『死刑台のエレベーター』ぁあ!!多分、その名前を借りた、全然違う映画なんだろうなあ・・」と思ったところが、何と設定をいまどきの日本に移して、中身はそのまんまなそうな。

何かの間違いでしょう。普通の感覚だったら、絶対に手を出すわけない作品なのに、これを作られた方は、一体どういう考えなのか。謎です。

はい、見ました。阿部ちゃん版。。。何も書けずにいました。
なんだか見ている自分が恥ずかしいくらい。

でもなぜに見たか!!それはルイ・マルの「死刑台のエレベーター」の上映があったから。
あの名作を、スクリーンで見れる機会なんか、もうないんじゃないのでしょうか。
その昔、多分衛星放送あたりで見たくらいで、スクリーンで見たことがない。一度はスクリーンで見てみたい作品の一つだったのですが、願いがかないました。



わかってきたのです。これはルイ・マルのあの素晴らしい作品を見せる触媒にならんとしたのではないかと・・・。違うか。

最近だと、包容力あるおばあちゃん役で、たまにお目にかかるくらいになったが、なんとまあ、若きジャンヌ・モローのチャーミングなこと!どこかコケティッシュな雰囲気を醸し出しながら、品のある女性を見事に演じておりました。



ストーリーは唸らせるような複雑なもんではなく、完全犯罪は難しい・・というもんですが、今回この作品をじっくり見てわかりました。この作品のミステリアスな部分を高め、よち濃密なものにしたのは、すべてマイルス・ディビスの音楽。泣いてるトランペット。ジャズのじわじわ染てくる旋律の素晴らしさ。音楽がこれだけ映像にマッチし、いつまでも印象深くしているものはそうない・・。

そこをつくづく感じました。これを見ることが出来て幸せな時間を過ごさせてもらいました。というより、音楽に浸った感じかなあ。

あ、阿部ちゃん版・・。ルイ・マルの「死刑台のエレベーター」を見ることが、なにより雄弁だと思いますわ。うーん、謎だ。なんで作ったんだろう??一番の謎は、熊谷真美ちゃん。



「死刑台のエレベーター」

監督・脚本 ルイ・マル
出演 ジャンヌ・モロー モーリス・ロネ ジュルジュ・プージュリー ヨリ・ベルタン リノ・ヴァンチュラ ジャン・ウォール


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2 コメント

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Unknown (KLY)
2010-12-09 00:10:20
ホントなんで作ったんでしょうね?
何でも本家が唯一リメイクを許したんだとか。出来上がったもの観てどう思ったのかなぁ。まあ私はリメイク版は似て非なるものという結論です。
何というかこのぐらいの時代の傑作って結構音楽と共にあったりして、今その映画の存在さえしらない若い人でも音楽だけは聞いたことがあったりしますよね。
最近ではそういう作品てやっぱり少なくなったなって思います。
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>KLYさま (sakurai)
2010-12-09 21:11:54
一応、見たんですよ、阿部ちゃん版。
書けずにいるまま、さっき削除しました。
あは。

つくづく音楽の素晴らしさに驚愕でした。
この映画は、まじに音楽と見事にマッチしてて、またその楽曲は至高のもんですから、陶然としちゃうほどでした。
やっぱ、これは手を出しちゃいけない作品だったと思いましたわ。
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