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ワールド・オブ・ライズ

2008年12月28日 | わ行 映画
今も過激に活動しているアルカイダのテロ組織。根本的な解決な望めそうもないが、何としなければならない世界の警察・アメリカは、CIAの捜査官をミドル・イーストに潜り込ませ、なんとかしてテロを阻止しようと暗躍している。

現地の捜査官に指令を送るのは、本国アメリカから。衛星ですべてを監視し、情報を取り込み、すべてを見ているぞと、【イーグル・アイ】は、その力を誇示しているようだ。

しかし、すべてを見ているはずの目でさえ、今追っているテロ組織の指導者、アル・サリームの居場所を見つけられない。

体を張って、現地で活動するロジャーの思惑と、遠い空から命令を下すエド。このコンビで世界を救ってきたと自負するが、サリームを捕まえるために、さまざまな画策を各々が張り巡らせる。

そこにあるのは世紀のだましあい。二人の間に齟齬が生じて来た時、ロジャーに一世一代の危機が迫る。はたして、ロジャーの運命は・・・・。

最近、リドリーの大のお気に入りのラッセル・クロウが、これでもかと醜く太って、ぬくぬくと本国の司令室から、衛星の映像を眺めて指令を送る姿が、見事。役者魂を感じた。監督とよっぽど性が合うのか、次々と彼の違った面が見れて、こっちとしては嬉しい限りだ。



それに対して、うーん、なんていい男になったんでしょう。若い時は、これほどいい男になるとは思ってもいなかったレオ君がいいです。
存在感ありすぎなので、現地に潜入したCIA局員・・・としては、華がありすぎ。本来ならもうちょっと薄いイメージの人の方がぴったりくるのだろうが、ここはレオ君の男っぷりを、堪能させていただきました。

話は、CIAが何をやってきて、何を世界中でやっているのか・・・。これが事実なのか、どうなのかは推測の域を出ないが、・・・・まさかCIA自身が、こんなことやってます!などと言うはずもない。

きっと、CIAを辞めた人間なんてのも、危険リストの筆頭にくるんだろうな、などとも思わせる。

命を懸けて働いているのは一体何のためなのか・・。まともな恋愛もできず、家族も半端に愛され、24時間張り付き、ズタボロになる。誰が頼んだわけでもなく、一所懸命、世界の平和を守ってくれてる。

でも、彼らが敵とみなしているそれらは、彼ら敵だと決めつけてしまったからではないか・・・・。

なんだか見てて、「地球が静止する日」とかぶってしようがなかった。自分らの理解できないものや、得体のしれないものは敵。その敵は何が何でもやっつけなければならない。

まあいろんなことを思いつつ、見てからずいぶん時間が経ってしまったので、少々細かいところを失念してしまったが、ラッセル・クロウの役者魂と、えらく男っぷりの上がったレオ君を堪能できた作品。

ミドル・イーストの国々の中にも、いろんな考え方の違いがあったりするのが面白い。

邦題は「嘘の世界」、「世界中は嘘だらけ」??そんな感じ?
原題の「Body of lies」ということで、いまいち意味が伝わらなかったのだが、ネイティブに聞いたところ、Bodyには【何とか課】みたい意味もあるのだそうで。【うそ課】っていう意味だったら、おもしろい。

◎◎◎◎

『ワールド・オブ・ライズ』

監督 リドリー・スコット
出演 レオナルド・ディカプリオ ラッセル・クロウ マーク・ストロング


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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ラッセル・クロウは (miyu)
2008-12-28 18:12:22
監督のために太れたんだから、
次回作は男の色香溢れる彼らしい役どころを貰って
なんとか頑張って痩せてもらいたいものです( ´艸`)
それにしてもレオ様本作はなかなか頑張ってましたよね~。
いや、最近の骨太な作品の彼も好きなのですが、
徐々に板についてきた感じがします。
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>miyuさま (sakurai)
2008-12-29 14:31:29
何もそんなに太らなくても、十分愚鈍っぽい動きはできると思うんですがね。
太ったことに意味があるのでしょうね。
実際に太ったり痩せたりするんじゃなくて、演技で太った!!と思わせるのが役者のような気もしますが。
・・・って偉そうに言ってます。

レオ君!!いいですね。
最近、めきめきいいです。
若い頃は、ロバート・デニーロの後継者か!なんて言われてましたが、本当にいい感じです。
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同感です (miyu)
2008-12-29 18:21:32
役者の仕事は体重コントロールではなく
演技だとあたしも常々思っております。
ってなるとsakuraiさんのコメントに出てくる
デ・ニーロさんの功罪は大きいですよね(´▽`*)アハハ
まぁ最近は役作りに必要なプロセスなんかな?
と思うようにしておりますし、
それが役者魂と言われたら、そうなんかな?とも
思いますけどね~。
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こんばんは (なな)
2008-12-29 22:16:12
ラッセルの役者魂とレオの男っぷり!
これにつきますね。
ちょっと期待してた方向とは違って
やたら疲労のたまる内容でしたが
なかなかいい作品だと思います。
テロ対策にここまでやってんのか~と。
いろいろお勉強にもなりましたね。
ラッセルは撮影終了と同時にダイエットに取り掛かってほしいです。
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こんにちは (はらやん)
2008-12-30 05:37:21
sakuraiさん、こんにちは!

>自分らの理解できないものや、得体のしれないものは敵
と思うアメリカという国について、こういう作品を作れるのはまたアメリカの懐の深さみたいなものだったりもするのですよね。
まだ大抵の人はそういう風に思われているということの自覚はないのが、問題なのですが。
レオはほんと骨太な役がさまになるほどにしっかりとしてきましたよね。
いい味がでてきましたよね。

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そっか! (sakurai)
2008-12-30 09:33:04
責任はデニーロか・・・。
なんてね。
やつれた表情や、大きな体なのにやけに小さく見えたり、小さいのに堂々としてたり・・・と言うのを演技で出してこそ!というのこそが役者の妙のような気もしますからね。
miyuさんは結局「容疑者X・・」を見ずじまいでしたっけ。
あの堤さんは、まさにそれでしたわ。
役者の妙を見せた映画だったと思います。
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>ななさま (sakurai)
2008-12-30 09:40:12
CIAもの!と言うといろいろと思い浮かぶのがありますが、やっぱ「スパイ・ゲーム」はうまかったなああ。
アメリカの姿勢やら、アメリカのやってきたことの功罪やら、さまざまなことがこういう映画には描かれるのが面白いですよね。
実際にCIA職員とかって、映画見るのかなあ。
こういう映画を見ているCIA職員と言うのを見てみたくなりました。
ぜひ次は、スマートになったラッセルに逢いましょう。
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>はらやんさま (sakurai)
2008-12-30 09:59:20
リドリーさんは根っからのアメリカ人ではないので、アメリカを描きつつも、どこか違うところから見てる、という姿勢が映画にはあるような気がします。
アメリカ人には、いろいろと啓蒙が必要だと思うので、どんどんこういった映画を作ってもらいますかね。
その真意がわかるかどうかは不明ですが・・。
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ラッセル・クロウのメタボ! (mezzotint)
2009-01-04 12:15:14
sakuraiさま
コメント・TBどうもです。
さすがsakuraiさん、ちゃんと観ておられる!
凄いです。そうなんです。重厚なスパイ映画を
監督は撮りたかっただけ。そして登場する人物像に重点を置きたかった。ラッセルのメタボも
エドという人物のキャラ重視に撮りたいという監督の要望だったそうです。たださえもメタボなラッセル、撮影時は110kgを超していたというのですから、まるで相撲取りみたいですよね。何やら政治的云々という批評が飛び交う作品でしたが、本当はそんな作品だったということなんですね。私は内容が複雑に展開していくもんで・・・。頭の中がグルグル状態でした(笑)
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>mezzotintさま (sakurai)
2009-01-04 14:14:23
いやいや、最初はやけ「シリアナ」を意識して作ったかああと思いながら見てたのですが、だんだんこれは遊び心と、役者の妙を見せたかったのかなあと感じてきました。
リドリー監督の最近のお気に入りですから、ラッセルさんも熱演でした。
110㎏ですかあ。
すんごいですね。
まあ、そんなに太らないでも、演技で、メタボを見せてもらいたかったような気もしますわ。
次の作品も力作なようですから楽しみです。
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