迷宮映画館

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クイーン・オブ・ベルサイユ

2014年10月08日 | か行 外国映画
宣伝その他で、大富豪がいかに転落していったのか・・・と言うことをおもしろおかしく、一般庶民の私たちの溜飲をどうやって下げてくれるんだろうか・・・みたいな表し方だったもんで、こっちもモード的には、貧乏人が金持ちをどうやって笑おうか、との姿勢。これは大きな間違い!いたって真面目な、才能あふれるビジネスマンの奮闘物語だった・・・・と思う。

不動産王!なんていうと、とんでもの事をしてきたおっさん!んでもって、31歳も若い奥さんで、子供が7人!!どんな奴なんだ??と思うのだが、これがいたって真面目なおっさん。そりゃ一代で大富豪になったからには、どんだけの苦労を重ね、どんだけ働いてきたのかは想像に難くない。デビッド・シーゲルさんが考え付いたのが、タイムシェアという商売。

ごくごく普通の人には、到底手の届かないリゾートマンション。夢みたいな休暇を過ごせるのだけど、んな絶対に買えるわけがない。でも、それを共同所有することによって、ちょっと頑張れば手に入るというもん。ああ、こういう商売なのか~と、やけに納得してしまった。一般庶民にも少々の富豪の気分と、夢のようなバカンスを送ることができるゆとりを買うみたいなもん。

次々と展開し、巨万の富を築いていったシーゲルさんは、元ミスフロリダのジャッキーと出会い、結婚。31歳差をのりこえ、ゴージャスな生活を送っていたと。そりゃそうっしょ。半端な金持ちじゃなくって、まじに本物の金持ちさんですから、どんだけゴージャスな生活を送っても、誰も文句は言わない。というより、そういう金持ちさんは、どんどんと金を使ってもらって、還元すべきっす。金を使うことも大事。

そして究極の金の使い方として、なんとアメリカにベルサイユ宮殿を建ててしまおう!!!という壮大な計画。8500平米・・とか言ってますが、それがどのくらいの大きさなのか、あたしの頭では想像もつかん。でっかいことにかけてはさすがアメリカ!!そのアメリカの中でも最大級の屋敷って・・・。

監督さんは、その大豪邸の完成の様子を、夫婦の生き様とともに追う予定だったのが、まさかのリーマンショック!不動産業はもろにあおりを食って、とんでもの負債を抱えてしまったと。使用人を何人も抱え、悠々たる生活を送ってきた夫婦にまさかの危機!!

シーゲルさんは毎日金策に追われ、豊かで福々しかった表情から、険しいイライラした顔に変わっていく。当たり前です。でもジャッキーは、そう簡単に変われない。厳しいことはわかってるのだけど、不安な気持ちを買いものにぶつけてしまう。

実は見てる方が「それ見たことか!」と思わせるのはここだけで、あとは今の窮状をどうやって乗り越えていくか!という踏ん張りの話。犬が家の中を我が物顔で歩き回り、子供も沢山産めたってのも、すべてはお金があったから。お金が無くなりました。はい!生活変えます!!!とはなかなか切り替えられない様子が映されていく。

ジャッキーの散財の様子が見てる方としては呆れるとこなんだけど、ここはご主人がちゃんと妻に言って、身の丈に合った生活に変えるべき。言えば分ることを言えなかったのは、プライドか。いや、そのくらいわかるはずと思ったのか。

とにかくまじめな作品でした。アメリカではどう思われてるのかは知りませんが、金持ちになったのも自分の頑張り。世の風潮によって、どん底に落ちてしまっても、なんとか踏ん張ろうと奮闘している。金は天下の回りもの。どん底だった景気も今はだいぶ上向きになって、シーゲル家も現在はちょっと回復した模様だそうです。ごくごく普通の生活を送って、日々をなんとかやり過ごしてる身としては、完全なる他人事なんですが、そんな人たちを高みの見物できるってのが映画のいいところ・・・かな。

◎◎◎○

「クイーン・オブ・ベルサイユ」

監督 ローレン・グリーンフィールド
出演 デビッド・シーゲル ジャッキー・シーゲル


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