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セブン・サイコパス

2014年02月19日 | さ行 外国映画
さっぱり筆の進まない脚本家のマーティ。題名の「セブン・サイコパス」までは決まったが、とんとアイデアが出てこない。悪友のビリーが一計を!新聞に、「サイコパス募集」の広告を載せてしまう!!自分から自分をサイコパスと自覚するとはなんとも怖ろしいのですが、来るわけっすよ。

さて、ビリーの副業は犬の誘拐。高そうな犬を拝借して、折りを見計らってさも見つけたように返しに行く。そしていただくのが謝礼金と。犬を返しに行く役目はしているのが、危ない臭いのするハンス。愛妻はがんで入院している。

マーティは、徐々にネタが集まってきて、いいのが書けそう・・・と思っていたところに事件が!ビリーの拝借した犬がマフィアの愛犬だったもんで大騒ぎ。なにより犬を愛する親分は、復讐に燃える!!!

サイコパスさんたちが巻き起こす事件がまた悲しい。ただのサイコじゃない。サイコにならざるを得なかったきっかけってもんがあるわけです。理由がないのがビリー@ロックウェルかな。

愛娘を殺された親父さん、サイコにいたぶられてた女性を助けた男、ベトナム人のサイコパス(ここだけ唐突で???だったのですが、ハンスに結びつくのですよ!!!)、悲しい殺人者たちが巻き起こす騒動を、目撃者としてマーティが見つめるのであります。果たして、こんなのが映画になるんかい!

ということで、おもろい!こんな作品をおもろい!というと不謹慎か、自分がサイコみたいに思われては心外なのですありますが、とにかくおっさんたちがサイコ、じゃなくて最高!無駄遣いみたいにハリー・ディーン・スタントンを贅沢に使って、ウッディ・ハレルソンなんざ、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」を髣髴させるいかれっぷり(そこまでいかないかな・・・)。

トム・ウェイツまで引っ張り出して、この監督さんには、どんな政治力があるんでしょう!と思わせます。コリンとロックウェルは安定の存在感でしたが、何と言ってもキモはウォーケンでしょう。首に巻いたスカーフ・・・なんて言ったっけ?なんつか、とにかくかっこいい。素敵。かっこよすぎる。ベトナムのことを語る彼の表情は、あの時の若き狂気のニック(『ディア・ハンター』の)をふんと鼻で笑って懐かしんでるような。あれだけで涙出そうになりました。

女性陣の無駄遣いも贅沢でいい。オリガ・胡瓜レンコンちゃんなんか、あれだけっすよ。必要な無駄です。こんな贅沢な映画を1000円で見せてもらって、申し訳ない!くらいです。ごちそうさまでした。

◎◎◎◎●

「セブン・サイコパス」

監督 マーティン・マクドナー
出演 コリン・ファレル サム・ロックウェル ウッディ・ハレルソン クリストファー・ウォーケン トム・ウェイツ 


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2 コメント

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こんにちは (maki)
2014-05-03 09:08:42
なんか味わいは変な映画なんですが、
後半は面白くて不思議と嫌いじゃない そんな作品でした
ラスト、エンドロールの途中にでも
シリアルキラー殺しの男性のためへの
偽の電話番号と「ここに電話して、愛してる!」みたいなのがあったらもっと面白かったのになーと思ったりも。
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>makiさま (sakurai)
2014-05-13 14:34:08
上映もやけにこっそりで、予告も流れてなかったんで、危うく見逃すとこでした。
いやーー、見てよかったです。
この役者陣を見たら、見逃せないですよね。
>偽の電話番号と「ここに電話して、愛してる!」みたいなのがあったらもっと面白かったのになーと思ったりも。
粋ですね。
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