迷宮映画館

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人生は、奇跡の詩

2007年02月26日 | さ行 外国映画
アカデミー賞が発表になって、アジアの本がやはり凄い!ということが証明されたようだが、中継がWOWOWになってから、とんと見ていない。BS2でやってたときはずっと見ていたが、その中で、いまだあの尋常でない喜び方がいつまでも忘れられないのが「ライフ・イズ・ビューティフル」でオスカーを受賞したときのロベルト・ベニーニのはしゃぎ方。

会場狭しと跳ね回り、とにかく嬉しくて嬉しくてしょうがない!という気持ちを全身で表していた。ちょっとウザイ、といえばウザかったが、ほほえましいことには変わりない。

本人自身、どこまでが他人に見せる自分の限界か、ということをぎりぎり分かっている・・と思いたい。あのマシンガントークは、聞く人の許容の限界ギリギリのきわどいところだった。詩人で大学の先生。「詩とは、言葉を支配することだ!」と言い放ったのはベニーニ自身の言葉なのだろうか。

ある詩人の方と、少々お知り合いになったのだが、随分と・・・変わった方だった。詩人がすべてそうだとは限らないが、かなり・・・・、ちょっとついていけないくらい。かの詩人が言うのは、詩とは、言葉とは、『天から降ってくるもの』、『沸き起こってくるもだ』、『神の声を自分で紙に書き写すこと』・・だそうだ。突如、身のうちから生まれ出ずるもの。へーーー、そんなもんすか??と理解は出来なかったが、詩人とはそこまで行き着いて行ってる人であるということらしい。

そんな神がかかったベニーニの新作は、やはり彼らしく戦争を絡めた奇跡の物語。題名に【奇跡】と謳ってるので、紛れもなく奇跡のお話。夢の世界と現実の世界を行き来したり、自分の理想の女性をストーカーしたり、ウッディ・アレンよろしく、やけに美人にもてるんじゃない?と自我自賛もちゃんと忘れてない。

愛する女性はイラク出身の詩人を追って、バグダッドに!いまや究極の戦場はバグダッドだ。そしてそこで大怪我を負ってしまった彼女を助けに、男は山を越え、谷を渡り、らくだに乗り、不屈の精神でやってくるのだ。愛とは偉大なり!ベニーニはいかに妻を愛しているか。これほど素直に、心から自分の妻を愛してるとは、何とうらやましく・・はないが、凄いことだ。そして、その愛してる、ということが映画であろうと、びんびんと伝わってくるのだ。これって、凄い。

それに十分応えるニコレッタ・ブラスキの凛とした美しさも素敵だ。あのマシンガントークが堪えられないと、ちょっと辛いが、それなりの力作だった。ちょっと長かったかな。トム・ウェイツの声はいつもながら染みる。

◎◎◎

『人生は、奇跡の詩』

監督 ロベルト・ベニーニ
出演 ロベルト・ベニーニ ニコレッタ・ブラスキ ジャン・レノ トム・ウェイツ エミリア・フォックス ジャンフランコ・ヴァレット


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