迷宮映画館

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永遠のこどもたち

2009年03月05日 | あ行 外国映画
海辺の古びた邸宅に、子供たちが遊んでいる。「だるまさんがころんだ!」は、万国共通だったことに感慨。その中の一人、ラウラがどうやら養女として、どこかにもらわれていくようだ。
他の子供たちはどうなるんだろう・・・。

セピア色の画面から、鮮やかな色に変わる。古びた家は、きれいになって、そこに3人の家族が暮らしている。やさしそうな両親と小さな男の子、シモン。周りに同じような子どもがいないからか、空想上の友達を大事にしている。

いつまでも空想の世界に浸るシモンだったが、この屋敷を養護施設にして、同じような子供たちが来ればきっと大丈夫。シモンも、現実の子供たちと楽しく遊ぶようになるはずだ。

しかし、シモンと両親の関係を知るというソーシャルワーカーだという、不気味な女性が家を訪ねてきたり、納屋に忍び込んでいたりする。物音が聞こえたり、なんだか説明できないようなことが続く・・・。

そして、子供たちを集め、施設としての披露をしようとしていた時、シモンが行方不明になってしまう。どこにもいない。薬を飲み続けないといけない体なのに、いったいシモンはどこに??

街中、国中を探してもシモンはいない。万策尽きたラウラと夫のカルロスは、霊媒師に頼って、なんとかシモンの行方を探ろうとする。そして霊媒師は、この孤児院であった悲劇を見る。でも、シモンは一体???

ラウラは、かつてシモンとやったゲームを思い出す。宝探しゲームだ。そうだ、宝探しゲームで、自分を見つけてくれと言ってるのかもしれない。待ってて、シモン。あなたを見つけるから・・・。

ということで、怖かったです。マジに。
「アザーズ」以来の背中に何かが走りました。いまだに怖いです。風呂入ってて、目をあけると、後ろの何かが(たぶんトマス)いそうで、目をビビりながらあけてます。

怖いとは知ってたのですが、ここまで怖いとは。
あたしが苦手なのは、精神的に追い詰められるのと、子供系の怨霊系。全部やん・・。

うーん、実はもうちっと社会的な問題とか、底知れない大きな闇・・・みたいなもんが含まれてるんだろうなあ、と勝手に思い込んでたもんで、少々あてがはずれました。だって、ほんとに怖かったんです。見ている最中、別にシアターの中は寒くはなかったと思うのですが、ずっと寒気のしどおし。

でまた、絵をくっきりと見せられたもんで、目に残ってる・・・。それだけ見せた、うまかったということでしょう。
ラウラを演じた母の強い思いが伝わってきます。そして彼のためなら何でもできたはずなのに、肝心な時に、彼がどうしてもと手を差し伸べたときに、握れなかった後悔。その辺の描き方は、秀逸でした。
新人とは思えない巧みさ。

てっきりギルレモの映画だと思いこませた売り方もうまかった・・・・。
ということで怖かったです。やっぱり怖いのは苦手です。

◎◎◎○

『永遠のこどもたち』

監督 J.A.バヨナ
プロデューサー ギレルモ・デル・トロ
出演 ベレン・ルエダ フェルナンド・カヨ ロジェ・プリンセプ マベル・リベラ モンセラット・カルージャ アンドレス・ヘルトルディス エドガー・ビバル ジェラルディン・チャップリン


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
サスガの (miyu)
2009-03-05 09:03:42
sakurai先生も怖いものは苦手?
あたしも怖がりなのだけど、
sakuraiさんの怖がりはかなりのもんですね♪
なんかカワイイとレビューを拝読していて
思っちゃいました( ´艸`)
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>miyuさま (sakurai)
2009-03-05 10:10:01
いやいや、あたしが苦手なのは怖い系と公言しておりましたが、ここまで怖かったとは・・・。
背中にぞくっ!が数回走りましたもん。
ラウラを演じた女性が、8キロもやせていったとか。
その凄まじさも映画に凄味を与えてたような気がしました。
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こわっ! (GMN)
2009-03-06 19:42:03
いかにもな私のツボムービーでした。

でもえれ~ぇ怖かったですね。怖い要素はあるんだろうな、ぐらいには思ってましたけど、ここまでとは思ってませんでした。

例え後ろに気配を感じても、怖くて振り向けません(汗)
だ~るまさんがころん・・・うひゃあ~!
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怖かったですか。 (mezzotint)
2009-03-06 23:43:57
sakuraiさま
今晩は☆★
私は怖い作品、結構好きです!!
デル・トロ監督の独特なダークな世界は何か神秘的な
怖さを感じますよね。そしてこの母と子の何か切ない
愛の物語に思わず涙ですわ。いやいや怖いけど、
良かったです。そういえば「パンズ・ラビリンス」も好きな作品ですね。
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>GMNさま (sakurai)
2009-03-07 10:54:20
うーーん、ここまで怖いとは・・。
怖いというのは知ってたのですが、甘く見てました。
真面目の怖いの苦手なんです。
アメリカ系のとは違って、心から怖い日本系の怖さでしたが、あーー、へこみました。
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>mezzotintさま (sakurai)
2009-03-07 10:57:41
えーー、怖いの好きなんですか?
あたしは、まじめにダメなんですよ。
いまだに、夜中のトイレは一世一代の決意です。
でも、気配とかはみじんも感じませんがね。
「パンズ・ラビリンス」は、実はあまり好きな方ではないのですが、話はこっちの方がいいとは思うのですが、いかんせん怖すぎた。
涙も出ないほど、背筋が凍りました。
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こんばんは (武子丸)
2009-03-19 23:01:58
sakurai先生、ご無沙汰しています。
この映画、そんなに恐かったですか!!?私はそんなんでもなかったです・・・・・。
でも、最後の子供が見つかるシーンは、「違って欲しい」と願ってしまいました。

先生、報告があります。2年前に闘病生活を送った下の息子ですが、無事に高校受験に合格することが出来ました尚かつ、みんなと一緒に卒業する事も出来ました。ほんとにほんとに何よりでした。これからの3年間、充実した高校生活を過ごして欲しいと思います。
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>武子丸さま (sakurai)
2009-03-22 20:37:22
おぉぉぉ!!おめでとうございます。
反応遅くなってすいません。
またぞろ、6年生を送る会やら、いろいろあって、おまけに花粉症がひどくて、トンとPCもまもとに見れなくて、ごめんね。

わーー、よかったですね。
高校生ですか!!いやー、よかった、よかった。
ひとまず、安心ですね。
いろいろあったでしょうから、感慨もひとしおだと思います。
楽しい高校生活になるよう、お祈りいたします。

私、無類の怖がりなんですよ。
強がってるふりしてるのですが、マジにダメ。
いまだ、夜中のトイレに行くのには、一世一代の決意なんですよ。
で、怖い映画もめったに見ないので、免疫ないもんで、ビビってしまいました。なはは。
映画は、母の思いがびんびん伝わってきて、結構はまったんですがね。
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ホラー好きです! (なな)
2009-05-30 10:37:15
わたしは,これそんなに怖くなかったです。
なんでかな?
「パンズ・ラビリンス」は怖かったけど
あれは人間の残虐さが怖かったので・・・
基本,ゴーストやホラーの映像はまじまじと見てしまう悪趣味なクチなので・・・。

たしかにアメリカン・ホラーより
ジャパニーズホラーのような切ない余韻の
ドラマとしても素晴らしい作品だと思いました。
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>ななさま (sakurai)
2009-05-31 13:42:13
ホラー・・・・駄目なんです。
スプラッターもだめなんですが、怖いのは本当に苦手。
一応、気持ち悪いのや、怖いの見て、ときどき自分の感覚を確かめてます。
「パンズ・ラビリンス」は、途中から、これはイエスの物語っぽく見えてきて、その観点で見てましたね。

「アザーズ」・・ご覧になりました?
あれは椅子の背から、何かがきました。
いやーー怖い、怖い。
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