司法書士佐季papaの毎日が一期一会

■■最近は気まぐれですが、日常の業務等を通じて実際に感じたことや,プライベートでの出来事についてお伝えしています■■

売契に私道が無い(終)

2022年07月31日 | 不動産登記

ブログの愛読者の皆さん、そうでない方も含め、こんにちは。

今回はWさん側が少し欲を出したことで残念な結果となってしまいました。これでは私道部分の相続登記費用も回収出来ないので、結果的にWさんは自腹を切ったことになってしまいますしね。

これは私個人の意見ですが、そもそも30年前の売買契約時に私道負担があることが分かっていたならば、売買契約の対象に当然含めていたでしょうし、含めたからと言って売買金額がその分、例えば10万円とか、20万円とか増えていたとは思えません。

また、30年分の私道持分の使用料を過去に遡ってIさんに請求するのもおかしな話だと思います。名義変更が漏れていたことで、この間の固定資産税等をWさん側が実際に負担していたわけでもないからです

だから、私としては、Wさん側に欲張らずに快く協力をしてもらいたかったのです。

ところで、このような事態を招いたそもそもの原因はどこにあったのでしょうか。

1つ目は、双方の不動産仲介業者DとMの調査不足だと私は思っています。ご近所の方々が私道持分を持っていることは登記簿を確認すれば容易にわかることなのにそれをおろそかにしたとしか思えません。たとえ私道部分が『位置指定道路(いずれは市に寄付されることも多い)』になっているとしてもです。ちなみに、重要事項説明書には位置指定道路である旨は記載されています。売主・買主はけっして安くはない仲介手数料を支払うのですから、DもMも最低限その責任を果たしてもらいたかった(Mは既に倒産しており、DはMの責任だと言っているとのことです)。

2つ目は、ご自宅の相続登記をした際に道路持分を漏らしたことです。多分、司法書士に依頼していたでしょうから、当然その司法書士の怠慢と考えます。権利証や名寄せによる評価証明書を確認していたならばこのような事態は起こらなかったでしょうから。ちなみに、今ではご自分で調べれば登記申請出来るでしょうが、30年前だと情報が少な過ぎて無理だったと思います。

3つ目は、これは30年前の決済を担当した司法書士には酷な話かもしれませんが(当時の司法書士にはそこまでの確認義務は無かったから)、公図や重要事項説明書を確認しておきさえすれば、当然に道路持分も登記したことでしょう。

Iさんにとっても、Wさんにとっても、不運が重なってしまったとしか言えないような話でした。

では、ブログの愛読者である皆さんもそうでない皆さんも、明日が今日よりも幸せな1日となりますように 

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